新型シビック セダン/ハッチバック発表!価格は265万円から、発売日は2017年9月29日!|最新情報(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
余裕ある新型シビックハッチバック/セダンの室内空間、荷室の使い勝手も良好
新型シビックのインパネは機能的で、左右方向の広がり感を強調した。エアコンのスイッチは比較的高い位置に装着されて操作がしやすく、ATレバーは前後にスライドさせるタイプ。インパネの上部にはソフトパッドを使う。好みが分かれそうなのはメーターで、エンジン回転計はアナログ風に表示され、速度は数字で示す。平均燃費や航続可能距離を示すマルチインフォメーションディスプレイも備わる。
車内の広さは、ミドルサイズのハッチバック&セダンでは余裕のある部類に入る。ホイールベースが2700mmと長くなることも奏効した。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間はハッチバックが握りコブシ2つ少々、セダンでは2つ半に達する。ハッチバックは荷室の奥行寸法を重視したので、セダンに比べて後席の取り付け位置が少し前寄りだが、足元は十分に広い。両ボディともに天井が低めで、しかも屋根のラインも後ろに向けて下降させたから、頭上空間を確保する目的で後席の着座位置は低めに設定された。膝が持ち上がりやすいが窮屈ではない。
ハッチバックはリアゲートを寝かせたこともあり、荷室の開口部が広い。開口部の高さは960mm、幅は1120mmとされ、リアゲートのヒンジが前寄りに装着されるから、開閉時に後方へ張り出しにくい。また荷物を隠すカーゴエリアカバーは「世界初」の横引き式。右から左、左から右と、左右に動かすタイプだ。荷室の奥に手を入れて引っ張り出す面倒がない。
シビック専用チューンを施し高性能化された1.5リッターVTECターボエンジンを搭載
エンジンは前述のように直列4気筒1.5リッターターボで、基本的にはステップワゴンやジェイドRSが搭載するのと同じタイプになる。バルブタイミングコントロールを吸排気の両方で行うデュアルVTC、ターボラグ(加速がワンテンポ遅れるターボ車特有の事象)を解消する電動ウェイストゲート付きターボの採用なども基本的にステップワゴンと同じだが、動力性能は大幅に高めた。
トランスミッションはCVT(無段変速AT)を基本としながら、シビックハッチバックでは6速MTも選択できる。 ハッチバックの6速MTは最高出力が182馬力(5500回転)、最大トルクが24.5kg-m(1900~5000回転)で、CVTは182馬力(6000回転)/22.4kg-m(1700~5500回転)となる。いっぽうシビックセダンはCVTのみで、173馬力(5500回転)/22.4kg-m(1700~5500回転)だ。自然吸気のノンターボエンジンに換算すると、6速MTは2.5リッター並み、CVTは2.3リッター並みの性能と考えれば良い。
ちなみに同じエンジンを搭載するホンダステップワゴンは150馬力(5500回転)/20.7kg-m(1600~5000回転)だから、こちらは2リッター相当の性能だ。これに比べるとシビックはチューニングの水準が高い。注意したいのは使用燃料で、ハッチバックはプレミアムガソリン、セダンはレギュラーガソリン指定となる。カタログ燃費(JC08モード燃費)は新型シビックハッチバックの6速MTが17.4km/L、CVTが18km/L、セダンは19.4km/Lだ。CVT同士で比べると、最大トルクは同じなのに、セダンはレギュラーガソリンで燃費数値が優れ、ハッチバックはプレミアムガソリンで悪い。
背景にはタイヤサイズの違いもある。セダンは16インチ(215/55R16)だが、ハッチバックは18インチ(235/40R18)だ。車両重量はセダンが1300kg、ハッチバックはCVTが1350kg、6速MTは1320kgで、後者はタイヤサイズが大きくボディは重い。プラットフォームは従来型のシビックに対して大幅に刷新され、当然のことながらボディ剛性の向上や軽量化を図っている。特にハッチバックはセダンと違って後席とトランクスペースの間に隔壁がないので、剛性面で不利になりやすい。そこでリア側のショックアブソーバーの取り付け部分とリアゲートの開口部で環状骨格を造り、剛性の低下を抑えた。その代わりにボディは少し重く、これも燃費に影響を与えた。サスペンションは前輪がストラット、後輪がマルチリンクの4輪独立懸架だ。
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