日産の新型フェアレディZが世界初公開! 現行の6代目・Z34型370Zと新旧比較してみた
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:NISSAN・茂呂 幸正
2020年9月にプロトタイプ版が発表されてからおよそ1年。待ちに待った日産の7代目 新型Z(日本名:フェアレディZ)の市販バージョンが北米・ニューヨークで2021年8月17日(現地時間)に発表された。正式な発売については2022年春となるが、現段階で発表されたスペックなどを集め、現行Z34型 6代目フェアレディZ(370Z)との違いについて比較してみよう。
古典的なスポーツカーのフォルム「ロングノーズ・ショートデッキ」を継承した新旧Z
いよいよ、日産から市販バージョンの新型フェアレディZが世界初公開された。ほぼ同じ形態のプロトタイプ仕様が2020年9月にお披露目されていたから、あのときほど新鮮な印象はないものの、細部もブラッシュアップされさらに魅力を増して姿を現した。
全長がおよそ120mm長くなった以外、新旧Zのボディサイズはほとんど同じだった
公表されている新型Z(北米仕様)のボディサイズは全長4379mm×全幅1844mm×全高1316mm、ホイールベース2550mm。最低地上高122mmとなっている。
いっぽう、現行6代目(Z34型)フェアレディZ(日本仕様・370Z)のボディサイズは、全長4260mm×全幅1845mm×全高1315mm、ホイールベース2550mmで、最低地上高120mmとなっている。
北米仕様のスペックはインチ表記をミリ換算しているため、端数で微妙な違いはあるものの、全長が長くなった以外は新旧ほぼ同一の寸法であることがわかる。
ボンネットが長くキャビンが最小限! 古典的なロングノーズ・ショートデッキスタイルは初代から
また基本的なフォルムも、古典的なスポーツカーのスタイルである「ロングノーズ・ショートデッキ」を継承する。これは現行Z34型370Zも、新型も同様である。共に、初代S30型Zからのイメージを継承している。
しかし写真で新旧モデルを見比べてみると、ボリューミーでグラマラスな現行のZ34型370Zに対し、新型はシンプルに洗練されたフォルムへと生まれ変わったことがわかるだろう。
丸いヘッドライトやボンネットの形状は初代S30型Zのデザインを現代風に解釈
新型Zでは、初代S30型Zの丸いヘッドライト形状をそのまま受け継ぐのではなく、現代風にアレンジした。正面から見ると、楕円形のLEDが丸くみえるように工夫されていることがわかる。
またボンネット形状も、フード内に収められた力強いv6ツインターボエンジンの存在をアピールするものとなっているが、これもやはりS30型のデザインを強く意識したものだ。
四角い開口部の形状は、現行Z34型も新型も同様。これもやはり初代のグリル形状を現代風に解釈していることがわかるだろう。
バブル絶頂期にヒットしたZ32型にインスパイアされた新型のテール形状
テールランプの形状は、1989年登場の4代目Z32型300ZXのデザインから強く影響を受けている。しかも、Z32型の頃では実現できなかった細かな形状もLED化により実現。当時のデザインをオマージュしつつも、最新モデルらしい雰囲気を創り上げることに成功している。
現在、日産でデザイン部門を統括するデザイナーたちの多くは、当時このZ32に衝撃を受けて入社を決めたという。確かにZ32独特のテール周りの形状は、今見ても古びないデザインだ。
新型Zも、ベースグレードはスポイラーレスのデザインとなっている模様。このテール形状もより強く印象付けるはずだから、そちらのほうも早く見てみたいものである。
新旧Zを真後ろから見比べると、現行Z34型370Zのボリュームあるワイドフェンダーの力強さが特に印象的に映る。しかし実際の寸法は新旧でほとんど変わりないというから、クルマのデザインはつくづく奥が深いものである。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:NISSAN・茂呂 幸正]
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