コスパがいいのは断然ヤリスクロス! しかし室内の広さや使い勝手ではヴェゼルが圧勝!【人気コンパクトSUV比較】
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
2021年4月22日(木)、ホンダからコンパクトSUVの新型「ヴェゼル」が登場した。現在、多くのメーカーから多数のライバル車が参入する激戦のコンパクトSUV。もとはといえば、2013年に登場した初代ヴェゼルが販売を伸ばしたことで一気に拡がったカテゴリーだ。
そんなコンパクトSUV市場で今最も人気なのはトヨタの新型ヤリスクロスで、2020年8月に登場後半年を過ぎた2021年4月現在も、納車待ちを抱え、絶大な支持を集めている。今回はそんな注目の2台を比較してみた。
燃費の差はリッターあたり3キロ! 燃費だけでいえばヤリスクロスの圧勝
共にコンパクトカーをベースに誕生した新型ヴェゼルと新型ヤリスクロス
ホンダ 新型ヴェゼルは、ベーシックグレードに1.5リッターエンジン車も用意するものの、ほか3グレードは全てハイブリッドのe:HEV(イーエイチイーブイ)である。ホンダのコンパクトカー「フィット」のパワートレインやプラットフォームをベースに、ヴェゼル専用にパワーアップしたものを使用している。
対するトヨタ ヤリスクロスは、ガソリンモデルとハイブリッドモデルはほぼ均等にラインナップされているが、ハイブリッドモデルが販売全体の6割以上を占めている状況だ。こちらもベースとなっているのはコンパクトカーの「ヤリス」と、ヴェゼルと似た成り立ちを持っている。
新型ヴェゼルとヤリスクロス、燃費から見るコストパフォーマンスの違い
ここで2台の燃費を比較してみよう。新型ヴェゼル、ヤリスクロス共に、売れ筋となるFFのハイブリッドモデル同士で見る。
新型ヴェゼルのカタログ燃費は24.8km/L。それに対し、新型ヤリスクロスは27.8km/Lと一枚上手だ(共にWLTCモード燃費)。ガソリンタンク容量を満タンとし、燃費と単純に掛けた場合、新型ヴェゼルが992.1km走る(ガソリンタンク容量40リットル)のに対し、新型ヤリスクロスなら1000.8km走る(ガソリンタンク容量36リットル)計算になる。
5万キロ走行したとして、ガソリンを1リットル150円で換算した場合、新型ヴェゼルが約30万円なのに対し、新型ヤリスクロスは約27万円で済む。3万円の差とはいえ、低燃費に期待して購入するハイブリッドモデル同士で、この違いは少なくない。
そもそもヴェゼルとヤリスクロスでは販売価格の差がある。売れ筋のグレード「ヴェゼル e:HEV Z」(289万8500円)と「ヤリスクロス HYBRID Z」(258万4000円))では、31万円4500円も違うのだから、ヤリスクロスのコストパフォーマンスの高さには圧倒される。
新型ヴェゼル、真のライバルはC-HRなどひとクラス上のSUVだった
しかし燃費や価格の差を比べるなら、ボディサイズの違いにも言及しないとフェアではない。なぜなら新型ヴェゼルは、ヤリスクロスに比べボディサイズが一回り大きいのだ。
新型ヤリスクロスの全長×全幅×全高は4180mm×1765mm×1590mm、ホイールベース(前後車軸間の長さ)は2560mmだ。それに対し新型ヴェゼルのサイズは4330mm×1790mm×1590mm、ホイールベースは2610mmとなる。
トヨタでは上級クラスの「C-HR」が全長4385mmで、むしろそちらに近い寸法なのだ。C-HRハイブリッドの売れ筋「G」グレードは304万5000円(FF)。ひとクラス上の空間が約290万円で手に入ると考えれば、新型ヴェゼルが俄然魅力的に映ってくる。
ベースとなったコンパクトカー、ヤリスとフィットで比べてみると、フィットは大人4人が余裕をもって乗れる室内と広い荷室を併せ持つのに対し、ヤリスはコンパクトで、室内も荷室も最小限のサイズにまとめられている。
普段は少人数で乗り、たまにしか多人数乗車しないという使い方ならヤリスでも十分だし、小さい分燃費も有利だ。しかし後席に家族を載せるファミリーカー用途にはあまり向いていない。
同じことは、新型ヴェゼルと新型ヤリスクロスにもそのまま当てはまる。週末にまとめ買いをしたり、荷物満載で家族と共にアウトドアレジャーを楽しみたいと思うなら、新型ヴェゼル1択となる。
もちろんヤリスクロスも小さなサイズの中で十分な荷室空間を確保する工夫が随所に加えられているのも確かだが、後席や荷室の広さはショールームでじっくりチェックして、のちのち悔いが残らないように選ぶ必要がある。
ファミリーで使いたいなら新型ヴェゼル、ミニマムなSUVが欲しいなら新型ヤリスクロスだ
ここまで見てきた通り、人も荷物もたくさんのせてファミリーで使いたいなら新型ヴェゼル、道の狭い都会でも楽しめるミニマムなSUVが欲しいなら新型ヤリスクロス、と同じコンパクトSUVながら両モデルは明確な違いがあり、最適なユーザー層も異なってくる。
このようにユーザーがどこを重視するかで、新型ヴェゼルと新型ヤリスクロスの見方は全く違う。漠然とした流行りのコンパクトSUVというイメージだけではなく、実際に販売店に訪れ実車に触れてみるのが良いだろう。自身の使い方をイメージしながらシートに座り、荷室をチェックして欲しい。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
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