最新クロスオーバーカー 徹底比較(2/4)

  • 筆者:
  • カメラマン:島村栄二
最新クロスオーバーカー 徹底比較
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有機的デザインとSUVらしからぬスポーティな走り

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日本とロンドンの2拠点でデザインチームにより構築されたというエクステリアは、3台の中でもっとも有機的デザインに見える。

ムラーノの弟分のようなイメージで、欧州のトレンドとなっているテイストを巧みに採り入れている。ただ、どちらかというと日本に向けたデザインではないように思える。まもなく登場するエクストレイルと、あえて大きく差別化したのだろう。

オーバーフェンダー、アンダープロテクターなどを付けることで、SUVテイストの力強さを表現。全体のプロポーションはメリハリのある筋肉質のもので、躍動感と前進感を演出している。あらゆる箇所について直線とすることを嫌ったデザインは、直線基調を好む多くの日本人の嗜好に合うのか?はたしてどうだろうか…という心配もしたのだが、今のところ販売的には日本国内でもかなり順調のようだ。

ドライブフィールは、ザックス製といわれるダンパーの恩恵もあってか、こうした背の高いクルマとは思えない動きを見せる。

ステアリングはかなりクイックレシオで、それに合わせて足まわりのロール剛性が高められているし、ダンピングも強めに効かせている。キビキビ感を出すためか、リアはけっこう固め。そのぶん後席の乗り心地はやや固めでピッチングも大きめとなる。それは運転したときの印象からして、予想どおりのことであった。

操縦安定性を考えると、足まわりと乗り心地のバランスは現状がちょうどよい落としどころなのかもしれないが、個人的にはもう少し洗練されてもいいように思えた。

ワインディングでの走りは予想をはるかに上回るものがあったが、一般道では、シチュエーションによっては突き上げ感をともなってしまう。もう少しマイルドで、ストロークしてくれたほうがいいように感じられた。

MR20DEエンジンとCVTの組み合わせは、初代エクストレイルよりもスペックダウンしているにもかかわらず、むしろずいぶん速く感じられる。フラットトルクのエンジンと滑らかな変速制御により、実にスムーズに走ることができるのだ。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

スクエアなフォルムは都市でもアウトドアでも映える

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スクエアなフォルムに切り立ったウインドウ、ボディパネルが生み出すエクステリアは、これまでの日本車の同クラスにはなかったテイストである。

ホイールアーチを強調したデザインと大径タイヤ、高められた最低地上高などにより、SUVテイストの力強いイメージを演出している。

一見したところ3列シートを持つクルマとは思えないスタイルで、ウエストラインを高く、キャビンを薄く、ボディを厚く見せるようにし、各ピラーを強調するデザインとなっている。

これらにより構築されたエクステリアは、オフロード指向のようでもあるが、全体の印象はあくまでも「都会」をイメージさせる仕上がりといえるだろう。

ストリームをベースとするだけに、ハンドリングも抜群だ。それなりに重心の高いクルマだが、ロールは程好く抑えられているし、コーナリング姿勢も悪くない。とはいえ、ストリームほど極端にスポーツしているわけではない。乗り心地もストリームほど固さがあるわけではなく、後席の快適性もまずまず。4WDモデルよりもこちらのFFモデルのほうが軽快感がある。

1.8LのFFモデルに比べても、今回の2Lモデルのほうが、ステアリングフィールや、足まわりの落ち着き、接地性などにおいて優れているように思えた。おそらくOEMタイヤの違いも効いているのだろう。そして、今回の3台の中でも、全体としてクロスロードがもっともまとまりがよく感じられた。

また、1.8Lエンジン+5速ATの組み合わせと比べると、出足はATが優れるが、走り出してしまえばこちらのほうがはるかに加速フィールは良好だ。燃費面でも、おそらく実質燃費はほとんど変わらないのではないかと感じられた。

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ナチュラルで軽快は走りに好印象

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スイフトと同じく、今までのスズキにない新しいアプローチで生まれた、SUVテイストを持つコンパクトハッチバック車がSX4だ。世界戦略車として開発されたSX4は、全幅1730mmの3ナンバー車である。

ジウジアーロ率いるイタルデザインとの共同作業によりデザインされたというが、エクステリアはいささか薄味の気もしないでもないものの、無難にまとまっている。

グレードによりキャラクター分けされており、ベーシックな「1.5E」をはじめ、「1.5G」「2.0S」にはエアロパーツが与えられ、スポーティで精悍な印象となっている。

「1.5XG」にはルーフレールやアンダーモールを装着するなどし、SUVテイストとしている。走りはそつないまとまり。いい意味でスイフトに近く、スイフトが評価された部分をそのまま受け継いでいる。SUVテイストのルックスではあるが、今回の3台の中では車両重量はだいぶ軽いし、重心も低い。エンジンは小排気量だが、走りにとっては好都合の部分が多い。よって、無理することなくクルマとしての素性のよい部分が引き出されているようだ。

乗り心地も快適で、スタビリティも高い。ロールは抑えられており、ピッチング、バウンシングなど上下動の動きについても、無理をして抑え込んでいる感覚がなく、気になる部分がない。ステアリングフィールもナチュラルだし、操舵力が適度な重さとなっている。エンジンについても、1.5Lのわりには「よく走る」という印象だ。

低回転域でのトルクが太いといえるほどではないが、踏み込んだら即座に2000回転以上を多用する設定で、4000回転より上で元気さを増していくという、高回転型の設定だ。

静粛性はそれほど高いわけではないが、大きな不満があるわけでもない。ただし、ATが4速というのはネック。やはり5速以上のほうがありがたい。そのあたり、走りの質感という意味では、損なわれている部分がなくはないといえる。

走りはナチュラルで軽快という印象で、いたって運転しやすい。やはりクルマにとって軽く重心低いのはいいということを再認識した。

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デザイン・スペックの総評

スタイリングは見てのとおりだが、走りのキャラクターもけっこう異なる。走りについては、もっともオンロード志向であるのはデュアリスだが、やや乗り心地が固め。スタイリングは、日本人が好みそうなのは、日本専売モデルのクロスロードか。SX4は、走りもスタイルも薄味に感じられたが、違和感や嫌悪感を抱かせないという意味で好印象。いずれも価格のわりにバリューの高いクルマばかりといえる。もしもSUVテイストが好みで、それをより強く味わえることに期待するのであれば、ルックス的にも内容的にもクロスロードが一歩リードだろう。

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筆者
MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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