日産 新型スカイライン vs トヨタ クラウンアスリート どっちが買い!?徹底比較(2/3)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:日産自動車株式会社/和田清志/茂呂幸正
日産 新型スカイライン vs トヨタ クラウンアスリート どっちが買い!?徹底比較
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【新型スカイライン vs クラウンアスリート エクステリア&インテリア対決】

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まずはボディサイズだが、スカイラインは新型になって全幅が50mm広がり、1820mmまで拡幅された。クラウンアスリートと比べても、わずか20mmではあるがスカイラインが上まわる。全長は逆にスカイラインが約100mm短い。そしてホイールベース(前輪と後輪の間隔)は両車とも2850mmで同じだ。全高はスカイラインが1440mmで、クラウンアスリートに比べて10mm低い。

ボディサイズに大差はないが、視覚的にはスカイラインが小さく感じる。全長が約100mm短いこともあるが、デザインの違いが大きい。スカイラインはボディの前後をかなり絞り込んだが、クラウンアスリートは比較的角張った形状でボリューム感が強い。クラウンアスリートはスポーティーなシリーズだが、ボディ全体の形状はサイズ感を表現したラグジュアリー指向。対するスカイラインは、まさにスポーティーセダンで引き締まり感を重視する。

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インフィニティ Q50(海外仕様)トヨタ 新型 クラウン(14代目)「ハイブリッド アスリート」

内装の造りは両車ともに上質。スカイラインも新型になって仕上げが巧みになり、クラウンアスリートと比べてもさほど遜色はない。従来型では明らかにクラウンが上質に感じたが、差が縮まった。

この背景には液晶パネルの使い方もある。両車ともにカーナビ画面の下に液晶のタッチパネルスイッチを備えるが、この方式だとスイッチの見栄え、押した時の感触で質感を表現できない。演出手段が少し乏しくなった印象だ。

フロントシートは両車ともにサイズを十分に確保して座り心地が良い。その上で比べると、スカイラインは新型でスパイナルサポート機能を採用した。背もたれ部分のパッドが背骨に合わせて折れ曲がり、腰から肩までをしっかりと支える。体がシートの中にスッポリと収まる感覚だ。

これはスカイラインのセールスポイントだが、ユーザーによっては拘束された感覚になるだろう。ユーザーの好みによって良し悪しは変わりそうだ。スカイラインはインパネの形状も囲まれ感が強く、開放的ではないが車両との一体感を得やすい。クラウンアスリートは逆にリラックスできる雰囲気に仕上げた。

ただしクラウンアスリートの場合、センターアームレストが大きすぎる。脇を引き締めて運転していれば通常の走行で肘が当たる心配はないが、体格の大柄なドライバーが駐車場などで大舵角の操作をした時は、干渉することもありそう。開発者に尋ねると「アームレストに寄り掛かって運転するお客様もおられるので…」とのことだが、正しい運転姿勢ではない。

リアシートはクラウンアスリートが快適だ。身長170cmの大人4名が乗車して、リアシートに座る同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ半。スカイラインの2つ分よりも少し広い。クラウンアスリートではリアシートの同乗者の足がフロントシートの下に収まりやすいことも、広く感じさせる理由だ。着座位置もクラウンアスリートが若干高く、腰の落ち込み方が少ない。スカイラインも現行型では座面が柔軟になり、大腿部の支え方も向上した。大人4名の乗車にも対応できるが、リアシートの居住性を競えばクラウンアスリートが勝る。

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【新型スカイライン vs クラウンアスリート 動力性能・燃費対決】

インフィニティ Q50(海外仕様)インフィニティ Q50(海外仕様)

動力性能はスカイラインがV型6気筒の3.5リッターエンジンを搭載し、エンジンとモーター駆動を合計したシステム最高出力は364馬力。クラウンアスリートは直列4気筒の2.5リッターで、システム最高出力は220馬力。となれば当然ながらスカイラインが力強い。エンジン自体の動力性能が高いので、幅広い回転域でパワフルに感じる。

逆にいえば、スカイラインはモーター駆動を併用するハイブリッドらしさが乏しい。巡航中にエンジンが停止することも多く、燃料消費量を節約していることは分かるが、V6エンジンの特性が前面に出ている。

クラウンアスリートは対称的で、モーターの存在を明確に意識させる。発進時はモーター駆動のみの時間が長く、巡航中にアクセルを踏み増した時も、モーターの支援を強く感じる。運転感覚としては、スカイラインのエンジンとモーター駆動のパワー比率が8:2とすれば、クラウンアスリートは6:4という印象だ。

トヨタ 新型 クラウン(14代目)「ハイブリッド アスリート」トヨタ 新型 クラウン(14代目)「ハイブリッド アスリート」

そのためにクラウンアスリートは、4気筒エンジンなのに巡航中の走りは滑らかに感じる。登坂路などでアクセルを深く踏み込むと、少し粗い4気筒エンジンのノイズを感じるが、巡航中はほとんど気付かせない。

その点、スカイラインはスポーティーセダンという性格付けもあって、V6の鼓動を伝える。このあたりは好みによって評価が変わるだろう。

クラウンアスリートのメリットは燃費性能。JC08モード燃費は23.2km/Lに達する。対するスカイラインは、排気量が大きい分だけ燃料消費量も増えて、350GTハイブリッドタイプPとSPは17.8km/L(標準仕様の350GTハイブリッドは18.4km/L)だ。使用燃料も異なり、クラウンアスリートはレギュラーガソリンだが、スカイラインは無鉛プレミアムになる。

そこでレギュラーガソリンの価格を1リッター当たり160円、無鉛プレミアムを170円、実用燃費をJC08モードの85%として1km当たりの走行単価を割り出すと、スカイラインは11.3円、クラウンアスリートは8.1円になる。1万km当たり3万2000円の差額だ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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