ホンダ アコードハイブリッド・トヨタ SAI・マツダ アテンザを徹底比較 -環境性能と運転の楽しさを追求したセダン-(4/4)

ホンダ アコードハイブリッド・トヨタ SAI・マツダ アテンザを徹底比較 -環境性能と運転の楽しさを追求したセダン-
ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX ホンダ アコードハイブリッド2.0 LX 画像ギャラリーはこちら

十分な動力性能を確保した上で燃費が優れ長距離を移動する使い方に適している

ホンダ アコードハイブリッド2.0 LXホンダ アコードハイブリッド2.0 LX

アコードハイブリッドの動力性能は、ガソリンのノーマルエンジン車でいえば3000ccクラスに相当する。モーター駆動が主体とあって直線的に速度を高め、巡航中に加速する時の反応も素早い。効率は全般的に高い。

ただしエンジンが発電機として機能するから、速度とエンジン回転の上下動に少なからずズレが生じる。軽くアクセルを踏んでいる時でも、不意にエンジン回転が上がったりする。登坂路ではエンジン回転が先に上昇し、後から速度が高まる傾向も見られた。このような動きをするからこそ、優れた燃費を達成できたのだが、ユーザーによっては違和感を抱くだろう。

乗り心地は、荒れた路面ではデコボコを伝えやすいが、Lサイズセダンらしくおおむね快適だ。

その代わり走行安定性はいま一歩。タイヤが転がり抵抗を抑えたダンロップ・エナセーブ050ということもあり、路面をつかむ力はあまり強くない。速度を少し高めて曲がると旋回軌跡を拡大させやすく、アクセルを戻すと後輪の接地性が削がれる傾向がある。

この時に効果を発揮するのが横滑り防止装置だが、利き方が弱めで作動時期は少し遅い。ホンダ車全般に見られる傾向だが、アコードハイブリッドは穏やかに走るタイプだから、もう少し早めに作動させると良い。

外観やリアシートの居住性と同様、先代型と現行型では車両の性格が大きく変わった。従来型から代替えするユーザーは、このあたりに注意する必要があると思う。

もっとも、運転感覚に不満がなければ、長距離移動のツールとしてとても快適。燃料代も節約できるので、長距離を運転することが多いユーザーにはピッタリだ。

フロントマスクは個性的だが中身は居住性の優れた実用セダン

トヨタ SAI 2.4 G Aパッケージトヨタ SAI 2.4 G Aパッケージ

動力性能はノーマルエンジンでいえば2700ccクラス。エンジンとモーターの動力を併用して走るタイプだが、軽くアクセルを踏み増した時などは、反応の素早いモーターによって滑らかに加速する。エンジンの性格は少し高回転指向だが、実用域でも不満はない。

エンジンノイズは登坂路では少し耳障りだが、巡航中はおおむね静か。ハイブリッドシステムは熟成されている。

走行安定性はグレードによって異なる。試乗車のG・Aパッケージには、18インチアルミホイール&タイヤと前後のパフォーマンスダンパーがセットでオプション装着されていた(13万2300円)。操舵に対する反応に鈍さはなく、背の高いボディでありながら走行安定性も満足できる。

ただし乗り心地は硬めだ。段差を乗り越えた時だけでなく、通常の走行でも路面上の細かなデコボコを伝えやすい。タイヤは前述のように18インチのポテンザRE050Aであったが、見栄えのスポーティー感覚にこだわらなければ、17インチの方が相性は良いだろう。もう少し重厚感を増して欲しい。

2400ccのハイブリッドは設計が古く、JC08モード燃費もカムリハイブリッドの23.4km/Lにとどかず22.4km/Lとなるが、一般のミドルサイズセダンに比べると優秀だ。

ボディサイズが適度だから街中で運転しやすく、天井が高いのでリアシートも快適。燃費性能の優れたファミリーセダンを求めるユーザーに適している。フロントマスクのデザインはかなり個性を強めたが、中身はとても実用的だ。

高い動力性能と優れた走行安定性により運転感覚はクルマ好きにピッタリ

マツダ アテンザ 2.2 XD Lパッケージ ディーゼルターボマツダ アテンザ 2.2 XD Lパッケージ ディーゼルターボ

クリーンディーゼルターボを搭載したXDの運転感覚は、アコードハイブリッドやSAIとはまったく違う。実用回転域の駆動力が高く、ボリューム感タップリの加速を見せる。なので3500回転付近までを使えば十分に速く走れるが、高回転域の吹き上がりも意外に良く、5000回転近くまで滑らかに回る。そこまで使っても加速性能面のメリットは乏しいが、運転感覚としては楽しい。

洗練された印象だが、ディーゼルであることに変わりはない。ユーザーによっては、発進時の独特のエンジンノイズなどに違和感を抱くこともあるだろう。購入時の試乗は入念に行いたいが、クルマ好きの読者諸兄には、このエンジンは受けると思う。

操舵に対する反応は正確で、小さな舵角から確実に向きを変える。曖昧な印象がなく、欧州車風ともいえる。低重心のセダンでホイールベースも長いから、走行安定性も良好。機敏な設定ではないが、後輪の踏ん張り感にも余裕があり、安心して運転が行える。

乗り心地は粗さがなく快適だが、硬めであることは確かだ。このあたりもディーゼルエンジンのフィーリングと同様、好みが分かれるところ。試乗して確認したい。

今回取り上げた3車は、昭和の時代を思い出させるセダンではあるが、着実に進歩していると感じた。SAIが搭載するトヨタのハイブリッドは、幅広い車種に採用されて今のトレンドを築き、アコードハイブリッドは新たなシステムによって燃費を大幅に向上させた。そしてアテンザは動力性能が優れ、経済性も高いディーゼルが魅力だ。いずれも時代の最先端を走っている。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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