フィアット テクノロジー2011 潜入レポート/マリオ二等兵(2/3)
- 筆者: マリオ 二等兵
- カメラマン:高野博善
ツインエアエンジンの原点とは?
ヴィットリオ氏の説明を聴いていると、「プレジャー」という言葉を多用していることが印象的だった。他社の技術解説の場合、実用エンジンでは効率化や低燃費、低公害化の話に終始するのが普通だが、フィアットはエコな実用エンジンでも「ファン・トウ・ドライブ」や「プレジャー」を強く意識して開発していることがヒシヒシと伝わってくる!これはクルマ好きにとっては嬉しい事実だった。
同社が誇る「ツインエア」エンジンは、欧州のエンジンオブザイヤー2011を受賞するなど、世界中から高い評価を受けているが、「ツインエア」に採用される先進技術の原点は1980年代に始まった直噴式ディーゼルエンジンの研究開発に遡る。
1987年から現在のディーゼルエンジンの主流直噴方式であるコモンレール式のベースとなる「ユニジェット」と呼ぶディーゼルエンジン用の燃料噴射システムの開発に着手。1997年には、アルファロメオ156に世界初の乗用車用コモンレール式直噴ディーゼルエンジンを搭載した。
2003年には「マルチジェット」と呼ぶ第二世代のマルチ噴射式コモンレールシステムを開発。1回の燃焼工程において最高5回まで燃料を噴射できるという緻密な制御技術で、振動の低減と排ガスのクリーン化を推進した。
2009年にはこれを「マルチジェット2」へと進化。燃料の噴射回数を1工程あたり8回に増やし、さらに連続する2つの噴射タイミングの間隔を正確に制御することで、エコ性能をさらに向上させている。これらのディーゼルエンジンの制御技術の開発により、フィアットは内燃機関の高効率化をはかるコツのようなものを深く学んだことで、電気自動車やハイブリッド車よりも「エンジンの可能性」を追求する姿勢を強めていく。
そして同じ2009年には「マルチエア」と呼ばれる吸気バルブコントロールシステムを導入。従来のスロットルバルブに代わり、吸気バルブの開閉によって吸気量を直接コントロールすることで、大幅な燃料の節約を実現し、フリクションロスやポンピングロスの低減も飛躍的に向上した。
BMWが開発したバルブトロニックはこれに近いシステムだが、「マルチエア」はバルブトロニックよりもバルブの開閉数が多く、またバルブの開閉は油圧で制御するため、より効率の高いシステムとして評価されている。この「マルチエア」にターボチャージャーを組み合わせたのが「ツインエア」エンジンなのだ。
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