フィアット グランデプント アバルト 海外試乗レポート(3/3)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:フィアット・グループ・オートモービルズ・ジャパン
アバルトと名乗るからには、中身がついてこなければ嘘だ
なんといっても注目すべきが、エンジンおよびシャシーといった、走りに関するパートだ。見せかけだけなら、アバルト仕様でしかない。アバルトと名乗るからには、中身がついてこなければ嘘だ。
エンジンにまずは注目したい。フィアット製1.4リッターエンジンにIHI製タービンを組み合わせて155PSという高出力を得ている。面白いのは、センターコンソールにあるスポーツブーストボタン。これを押すと、ステアリングフィールがくっきり重くなり、アクセルレスポンスも鋭くなって、フルスルットル3.5秒間のブーストアップがもたらされる。これによってトルクが10%増しになり、よりスポーティな走行を可能にするというわけだ。
出力アップに伴ってシャシー側の強化も当然、施された。17インチタイヤ&ホイールやブレンボ製高性能キャリパー&ローターの装着は前述の通りだが、加えて、アンチロールバーの強化、さらにはフロントスプリングの20%硬化や各種電子デバイス(ESPやASR、ABS)のスポーツセッティングなども実施されている。
肝心の、乗り味とパフォーマンスはどうか。ひと言でいうと、想像以上に楽しいクルマに仕上がっていた。ベースのグランデプントが非常によくできたハッチバックカーだったから、その味付けを上手く昇華してくれればなと願っていたが、正にその通り。それでいて、イタリアンハッチらしい元気良さもあって、非常に完成度が高いと言える。
アイドル時から野太いエグゾーストノートが聞こえる。エンジンをかけた瞬間から“ヤルキ”になる。とはいえ、荒々しさはなく、耳障りとまではいかない。クラッチペダルもそれほど重くなく、出だしは意外にあっさりだ。
ゆっくり流す程度に走っていれば、棚引く低温以外にこのクルマがアバルトの血を引くことなどほとんど意識しない。乗り心地は硬いが収まりのいいもので、むしろしなやかであると言っていい。ノーマルのグランデプントの“いい味つけ”を受け継いだ。
もっとも、こっちがその気になってスポーツブーストボタンを押せば、話は別だ。体感加速こそ、それほどブーストアップが効いているようには思えなかったが、全体的な雰囲気が著しくスポーティになり、古典的だが楽しいFFドライビングを楽しむことができる。リア足の追随性がいいから、弱アンダー状態で中高速コーナーをベタ踏みコーナリングしている最中がとっても気持ちいい。ややオーバースピード気味にコーナーに突っ込んでも、コントロールしやすい。
そして、アバルトならではのお楽しみもまだ控えている。このクルマを買って、1年間もしくは2万キロ走れば、“エッセエッセ(SS)“キットを、指定のディーラーやチューナーで有償装着することができる。ギャレット製タービンへの交換によりさらに高いブースト圧をかけることで、180PSを獲得。ブレーキもさらに強化され、車高はもう20ミリ下げられる。ミラーにesse esseの文字。ルーフは赤いチェッカーフラッグ。試作車料に試乗したが、その刺激度はノーマルアバルトをはるかに上回った。
日本でも同様の展開になるというが、本音でいえば、最初からSSが欲しいと思った。
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