[試乗]かわいらしさと大人ムードの絶妙なバランス/フィアット 500X 国内初試乗レポート(1/5)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:島村栄二/FCA Japan Ltd.
誰もが思わず二度見しちゃう・・・オトナキュートなSUV「フィアット 500X」
え、ちょっと待って、めっちゃ可愛い!
きっとこのクルマを見た誰もが、ハッと足を止めてそう思うんだろう。なんてフォトジェニックなポップさ!
こういうクルマをデザインさせたら右に出るものはいないのがフィアット、単に“可愛い”だけで済ませないテクニックがまあ見事なのだ。
なんと言えばいいんだろう、この絶妙なバランス。ラブリーなんだけどただ可愛らしいだけじゃないところ。オトナの男女……そう、コレが実はいちばん大事なポイントなんだけど、大人が大人としてシックにも乗りこなせるノーブルさを備えていることがもう、たまらなくヤラレタ!とヒザ打ってしまうのだ。子供っぽくなく、性別を選ばず、品と質がある。ポップだけどどこか大人っぽくてピリっとスパイシー。
ああもう、なんやねんフィアット、めっちゃ絶妙なツボ突いてくるやん!と今回も脱帽です。
世界が注目のコンパクトSUV市場へ、満を持して参入
2008年、その存在感で圧倒的な人気を博して今もロングセラーな人気を誇る「500」(チンクエチェント)以降、待望の新モデルがフィアットから登場した。
その名も「500X」。
なんか名前だけ聞いたらブランド豚肉みたいだけど(←「TOKYO X」のことを言いたかった)、この”X”はむろんクロスオーバーのクロスを指し、世界中が「出したら売れる」とドル箱認定しているコンパクトSUV市場に同社として初参入する、戦略的なモデルでもある。
その名前とスタイリングに多くの共通点を持つ500と500X。ご覧の通り多くのデザインソースを共用している。
チンクエチェントと多くの共通項を持ちながら、明確な棲み分けもなされる秀逸なデザインテイスト
エンブレムから左右に伸びた“ヒゲ”や左右二つずつ備えられたライトまわりなんか、いかにも都会的でレトロチックなおなじみのクロム装飾がなされていて、見た目からして500がおっきくなっちゃった!みたいな洒落心ある外観。
とはいえ、印象としてはまごうかたなき500であるはずなのに、500とはどこかがとっても違うっていうのも面白い。そう、特にお見事と感じ入ったのは、きっちりキャラの棲み分けがされている点だ。
ポップポップポップ!だった500より、500Xはさらに数段大人の階段を登った仕上がりになっているのだ。ちょっとお兄さんブランドであるアルファロメオの香りすら。「MiTo」(ミト)とか「ジュリエッタ」の風格をすこしお裾分けいただいたみたいなイメージにも見える。
さらにドアを開けると、ちょっとオトナなその世界観を実感するはずだ。
[イタリアの超絶センスにヤラれた! 500Xの素敵なインテリアとは・・・次ページへ続く]
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