もう行った? あなたの街の「軽トラ市」! 日本全国に広がる軽トラだらけの楽しい買い物体験とは
- 筆者: 増田 真吾
- カメラマン:日本自動車工業会、スズキ、ダイハツ
突然だが皆さんは軽トラ市なるものをご存じだろうか。軽トラックが買える見本市……ではなく、またユニークな市区町村の名前でもない。その正体は、軽トラばかりが集まって食料品や雑貨を売る市場のこと。今回はこの軽トラ市についてご紹介しよう。
軽トラがずらーっと並ぶ! 軽トラ市とは?
ダイハツ ハイゼットやスズキ キャリイに代表される軽トラックは、青果や農作業具を運んだり焼き芋屋になったりと、日本全国津々浦々で活躍している軽貨物車だ。
荷台の積載能力が高く、また普通免許で運転できることから多くの農家や商売人の間に普及している。
今回ご紹介するのは、そんな軽トラックばかりが数十台も連なり、それぞれの荷台で地元の特産品や新鮮な野菜、雑貨、衣料品などを販売する軽トラ市。
運んできた商品を荷台でそのまま販売でき、設営や飾り付け、撤収までがスムーズという実際的な利点のほか、産地直送の新鮮さが際立つ点や、生産者の顔を見ながら直接やり取りできる温かみが人気となっている。
雫石の商店街から、やがて全国へ
軽トラ市のはじまりは岩手県の盛岡駅からほど近い町、雫石(しずくいし)。宮沢賢治ゆかりの地であり、小岩井農場があることでも有名な町だ。
はじまりは2005年、人が減ってきた商店街を活気づけるため地元商工会が人々の声を集め、アイディアを出し合い軽トラによる市場が誕生した。当初は町外の出展者まで呼ぶことにためらいもあったが、結果的に軽トラ市の人気で町に人を呼ぶことに成功。人口2万人に満たない町で1日5,000人を集客したこともあり、2019年には開催第100回を迎えている。
今では軽トラ市は全国各地に広がり、日本自動車工業会によるサイト「全国軽トラ市情報」ではいつ、どの都市で軽トラ市が開催されるのかを知ることができる。軽トラ市は着実に日本の津々浦々に根付いているのだ。
軽トラ市で楽しい買い物体験を!
誕生から15年余りで全国に広がった軽トラ市。しかし残念ながら現在、人がたくさん集まる市場はコロナの影響で中止を余儀なくされているところも多い。
ただ、出展台数を減らし、軽トラ同士の距離を空けるなどの対応で開催することもあり、根付いた軽トラ市は途絶えることなく続いている。
また最近、軽トラや軽バンは商用だけでなく個人がキャンプ用などにカスタムして乗るのも人気で、副業を活かし出展する側に回る人も少なくない。
コロナで通販や宅配を利用することが多い中、ズラリと並んだ軽トラを見て回りながら買い物をするのは楽しい体験だ。近くで開催されることがあれば、ぜひ足を運んでみてほしい。
■全国軽トラ市情報 公式サイト(https://www.jama.or.jp/spcl/kei-truck_market/)
[筆者:増田 真吾/撮影:日本自動車工業会、スズキ、ダイハツ]
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