[試乗]ワタシの目をクギ付けにする、心地よい違和感/「DS5」試乗レポート(4/5)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:茂呂幸正
必要にして十分以上な性能だが、更なるパフォーマンスも欲しくなってくる
今回のマイナーチェンジに合わせて、PSAグループが持つ最新のパワートレーンが搭載された。心臓部には4気筒の1.6リッターツインスクロールターボエンジンを搭載。以前よりも最高出力は9馬力引き上げられて165馬力となったことで、2リッターの自然吸気エンジンを凌ぐパフォーマンスを発揮してくれる。
組み合わされるトランスミッションはトルコン式の6速AT。大きめなボディを優雅に走らせるには十分なもので、最新世代のATの繋がりは滑らかで街乗りで違和感を与えない。ATはロックアップ領域が広げられていることから、アクセルペダルを踏み込むとレスポンスよく動力がタイヤに伝えられていくが、力強さを求めるならば、もう少しパワーが欲しいところ。
フランス本国においては、ディーゼル車の販売比率が高いメーカーであるだけに、2リッター以上のガソリンエンジンのラインナップが乏しいのが残念なところ。そのあたりは、よりハイスペックなエンジンが登場するのを待つか、もしくは、ディーゼルモデルの登場に期待するしかなさそうだ。
ちなみに、燃費面では新たにアイドリングストップ機構が搭載されたことで、従来よりも33%向上した。JC08モード燃費は15km/Lというスペックに引き上げられているのは嬉しいポイントだろう。
LEDヘッドライト「DS LED VISION」で視界も高まった
安全面では、新しいLEDのヘッドライトユニット『DS LED VISION』の採用で夜間によりクリアな視界が確保できるようになったほか、レザーパッケージにはロービームとハイビームを自動で切り替えるインテリジェントハイビームを標準装備。さらに、大柄なクルマで気になるボディ周りの死角を補う機能としては、ルームミラーにクルマ周りの状況を映し出すサイド&バックカメラなども設定されている。また、居眠り運転による重大事故軽減に効果が得られる車線逸脱警告が設定されたのはありがたいが、今の段階では衝突回避ブレーキは設定されていない。そのあたりは今後の展開に注目したいと思う。
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