シトロエン DS3 試乗レポート/金子浩久(3/3)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:柳田由人
DS3に感じる、クルマとの新しい付き合い方
ご存知のように、MINIはイギリスで40年以上変わらずに作り続けられたオリジナル・ミニのデザインと、ブランドイメージを用いてBMWが新たにまとめ上げたものだ。音楽で言うところの“セルフサンプリング”である。
MINIにも、豊富なバリエーションやオプションが用意されている。MINIはエンジンバリエーションの多さなどでDS3よりは走りっぷりをアピールしているが、それと同じくらいデザインも売り物にしている。
MINIとDS3のエンジンがほぼ同じものであるというのも象徴的で面白い。両者の走りっぷりを較べると、MINIの方がDS3よりも少しだけキビキビしている。
その分、DS3の方が乗り心地が少しマイルドだ。でも、その違いは小さいし、違いは選択に決定的な影響は与えない。「どちらが好きか」で選ばれるものだろうし、また、それで選んでも絶対に後悔しない。
DS3に乗って、DS3が顧客に選ばれるシーンを想像してみた。
「もう、クルマは数字とか機能とかの違いだけで選ばれる時代ではなくなったのではないか」
「クルマであって、(これまでの)クルマとは異なったものなのではないか」
「その存在意義や購入動機に於いて、家電製品やインテリア雑貨、携帯電話などと重なる部分ができてきているのではないか」
DS3がどんな人に、どこが気に入られて選ばれるのか。とても興味深い。これからの時代のクルマとの新しい付き合い方、クルマの求められ方についてのヒントが何か潜んでいる気がする。
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