[試乗]強烈な個性の裏に隠された二面性/「シボレー コルベット Z51」ショートインプレッション(2/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田清志・GM Japan
見た目、ハードル高そうだけれど・・・若人よいざ行かん!
というわけで只者ではない感をムンムンとまき散らし、「誰にでも乗りこなせるわけじゃないのよ私って、うふふ」的なちょっと上から目線の雰囲気すら漂わせるC7だけど、実は意外にちゃんと乗れるのがポイントである。勇気を出して誘ってみれば、カモ~ンなんて具合にお姉様はトビラを開けてくれるのです。さあ、若人よいざ行かん!
スポーツカーらしいゴン太サイドシルを乗り越えてシートに納まれば、エクステリアから推測するほど視界は悪くない。ヒップポイントが高めに取られているのは運転にストレスを嫌うアメリカらしいポジションの作り方だ。
さらに、運転席からはボンネットの凹凸したラインがよく見えるのだが、運転に際してこの盛り上がりに実用的なメリットを感じた。車幅感覚を掴みやすいのだ。うっかり右に寄ったり左に寄ったり、そういうこともボンネットが教えてくれる。
乗ってみれば、思いのほかとっつきやすい・・・だがしかし!
それから、試乗が敵ったのはまんまと7速MTモデルだったのだが、このMTも相当に素直で素性がいい。
まずとにかくトルクが太いので、アクセルペダルを煽らずしても、クラッチペダルの操作だけでスルリと滑らかに発進する。ミートも的確だし、とにかくトルクのフトコロが驚くほど深いから、え、エンスト・・・とか気負うことなんて全く必要ない。
さらに発進させてしまえば、多少ラフにシフトを扱ってもあとはトルクが全部帳尻を合わせてくれる。甲斐甲斐しいこまめなシフトチェンジなんてははん、である。どのギアからでも踏めば強烈に加速が生まれてくるし、逆にすんごい回転数が落ちてもライトノックするまでに相当な余裕があるので、そのへんの小排気量のMTよりも扱いはむしろラク。しかも、ヒール&トーの苦手な人のために、シフトダウンの際にはアクティブ・レブ・マッチングという自動ブリッピングまで勝手にやってくれてしまうのだ。
この入門編にあたる間口の広さ、意外なとっつきやすさは実はZ51の最大の魅力ではないかと思う。
[乗りやすさのあとにやってくる怒涛のトルク感!・・・次ページへ続く]
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