【2024年】日産 新型サクラの価格や補助金、カラー、納期など最新情報をお届け|街乗りメインならXグレードで十分だ!
- 筆者: 青山 尚暉
- カメラマン:堤 晋一/茂呂 幸正/日産自動車
日産 新型サクラは2022年6月に発売された軽自動車規格の電気自動車(EV)です。新型サクラは内外装の質感も高く、走行中は静かでありながら軽ターボ以上のパワフルな走行も楽しめます。
今回はそんな新型サクラの価格や補助金、納期、走行可能距離など電気自動車の購入で気になる点も含めてモータージャーナリストの青山尚暉さんが解説します。
新型サクラのおすすめポイント
1. 電気自動車の入門車種となる手頃な価格とサイズ
2. 軽自動車の域を超えた内外装の質感
3. 電気自動車ならではの静かでスムーズかつ低重心がもたらす安定感ある走り
新型サクラのレビュー・評価
総合評価 4.75 ★★★★★
外観 | 4.5 | ★★★★★ |
内装 | 5.0 | ★★★★★ |
走行性能 | 5.0 | ★★★★★ |
運転のしやすさ | 5.0 | ★★★★★ |
乗り心地 | 4.0 | ★★★★☆ |
電費・維持費 | 5.0 | ★★★★★ |
よかった点
2022-2023年日本カー・オブ・ザ・イヤーを軽自動車としてはじめて受賞したのが、リーフ、アリアなどの電気自動車を生み出した日産の軽自動車規格の電気自動車、新型サクラです。
新型アリア風のフロントフェイスを持つ、軽自動車らしからぬ存在感とデザインが特徴的なエクステリア、室内空間そのものはベース車両となった日産 新型デイズ4WDと変わらないものの、インテリアの仕立ては別物です。
新型サクラ専用デザインのインパネとドア内張りは贅沢な布張りとなり、先進感ある7インチカラーディスプレイメーターとほぼ水平にレイアウトされる9インチワイドディスプレイのナビ画面によるインターフェースは新型アリアさながらの上質感、先進感があります。
前席も新型サクラ専用の仕立てで、よりソファのようなクッション感、ホールド性を持たせたものにグレードアップされています。
新型サクラの走行性能も電気自動車ならではです。
モータートルクは軽ターボ車の倍近い19.9kg-mに達します。出足からエコモードでさえ軽自動車らしからぬスムーズな速さを発揮するとともに、ドライブモードをスポーツモードにセットすれば下手なコンパクトカーを凌駕する、胸のすく加速力を見せつけてくれます。
その加速感はとにかく静かで、ウルトラスムーズ。アクセルペダルを踏む右足とモーターがつながったような感覚になれ、加減速が自在に行えるのも電気自動車の大きな魅力です。
新型サクラは乗り心地も非常に良いです。床下にバッテリーを敷き詰めている効果もあって、低重心であるため、背高なハイトワゴンにして足回りを固めずに済みます。
またボディ剛性も高く、下手なコンパクトカーを凌ぐ上級感、上質感ある乗り心地が感じられます。段差やゼブラゾーンなどでも、不快な振動、ショックは最小限です。ズバリ、軽自動車に乗っていることなど、忘れさせてくれるほどの走行感覚と言っていいでしょう。カーブや山道での安定感も軽自動車随一だと感じられます。
気になった点
ほぼ死角なしの新型サクラですが、細かいところを見ていくと、いくつか気になる点があります。
例えばドライブモードスイッチの位置がステアリング右下にあり、操作しにくいこと(ブラインド操作はかなりの慣れが必要)、贅沢な布張りに仕立てられたドア内張り上端の薄さ感が気になる人は気になるかもしれません。しかし実際はドアの厚みはしっかりと確保されています。
また、WLTCモードで180kmの航続距離となっているものの、エアコンなどを使った実走行可能距離は140km程度です。
日常使用では、軽自動車の1日の走行距離が30km程度というデータからすれば、4-5日に1回充電すればOKですが、ロングドライブではやはり何回かの経路充電は不可欠となります。
とはいえ、都会のユーザーなら買い物や送迎に使う分には十分なセカンドカーになりうるはずで、ガソリンスタンドの廃業が相次ぐ地方のちょい乗りの足としては、自宅充電ができる環境であれば十分すぎる航続距離と言ってもいいでしょう。
また、5:5分割の後席は170mmスライドするものの、スライドは一体式で、荷室の拡大アレンジ性では少し劣ります。
とはいえ、Xグレードの約255万円からの価格(補助金別/国からの補助金55万円が適用されれば200万円~)を含め、日本における電気自動車の普及に大きく貢献する1台であることは間違いないでしょう。
新型サクラの基本スペック・価格表
グレード | 駆動用バッテリー | 原動機 | 駆動方式 | 価格(税込) |
X | リチウムイオン電池(20kWh) | MM48(20kW 交流同期電動機) | 2WD | 254万8700円 |
G | 304万400円 |
新型サクラのグレードによる違いは装備のみで、バッテリーなどのスペックはXグレード、Gグレード共通となります。価格差は約50万円ほどですが、上級のGグレードには電気自動車専用の日産コネクトナビゲーション、インテリジェントアラウンドビューモニター、プロパイロット、SOSコールなどが標準装備されます。
新型サクラのボディサイズ
全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | |
新型サクラ | 3395mm | 1475mm | 1655mm | 2495mm |
新型サクラのボディサイズはベースとなる新型デイズ4WDと大きな差はありません。全長、全幅、ホイールベースは同一で、全高のみ15mm(新型デイズ4WDとの比較)ほど低く設定されています。
新型サクラの電費
WLTCモード(交流電力量消費率) | 市街地モード(交流電力量消費率) | 郊外モード(交流電力量消費率) | 高速道路モード(交流電力量消費率) | 一充電走行可能距離(WLTCモード) | |
新型サクラ | 124Wh/km | 100Wh/km | 113Wh/km | 142Wh/km | 180km |
電力消費率は1km当たり124whです。外での充電は時間課金制で、ガソリンに比べれば圧倒的に安いものの、充電タイミング、環境によっては驚くほど安くはならない可能性もあります。
電力会社の深夜割引料金などを考慮した自宅充電ができることが基本と考えておいた方が良いでしょう。
新型サクラの発売日と納期の目安
新型サクラは2022年6月に発売されました。これまで日産が発売してきたリーフ、アリアに次ぐ3車種目の電気自動車であり、また軽自動車規格ということもあって注目されました。
前述した通り、2022-2023年日本カー・オブ・ザ・イヤーを軽自動車としてはじめて受賞したのも新型サクラです。
そんな新型サクラの納期は2023年5月上旬に関東圏のディーラーへ問い合わせたところ、ワントーンだと4ヶ月程度、2トーンだと5〜6ヶ月程度との回答でした。
現時点では年内には納車できるため、すぐに補助金がなくなるということはなさそうですが、早めに商談を始めた方が良さそうです。
新型サクラのおすすめポイント解説
1. 電気自動車の入門車種となる手頃な価格とサイズ
新型サクラは日産 新型デイズ4WDモデルをベースに電気自動車化された、電気自動車でリードしてきた日産渾身の1台です。
軽ターボと変わらない200万円台から買える車両本体価格、軽自動車ならではのコンパクトなサイズ、新型デイズにも共通する運転のしやすさ、駐車のしやすさもあって、運転初心者から、先進的なクルマに興味あるベテランドライバーにまですすめられる電気自動車の手ごろな入門車種と断言できます。
2. 軽自動車の域を超えた内外装の質感
日産の高級電気自動車、新型アリアを彷彿させる内外装を持つ新型サクラは、運転席、助手席に座れば、今乗っているクルマが軽自動車とは決して思えない満足感が得られること間違いなしです。
その満足感は走り出してからも変わらないところが新型サクラの商品力の高さとも言えます。
3. 電気自動車ならではの静かでスムーズかつ低重心がもたらす安定感・安心感ある走り
新型サクラのモーターのパワー、トルクによる動力性能は、64馬力相当の軽ターボ同等以上となります。しかも、電気自動車ならではの静かさと、重量物のバッテリーを床下に敷き詰めたレイアウトによって低重心化が達成でき、背の高いハイトワゴンボディにして、高速走行、山道走行でさえ安定感抜群です。
またSOSコールや日産コネクトナビの装着で実現するオペレーターサービスもあって、運転初心者、高齢者ドライバーの安心感もひとしおです。
外観(エクステリア)
ベース車両は日産 新型デイズの4WDモデルですが、エクステリアデザインは別物です。
先進感溢れる日産の高級電気自動車、新型アリア風のフロントフェイスを持つ、軽自動車らしからぬ存在感とデザインが特徴的です。とくに2トーンルーフボディになると、より上級に感じられます。
内装(インテリア)
エクステリアデザイン同様、インテリアも新型デイズとは異なります。
新型サクラ専用デザインのインパネからドア内張りにかけては贅沢な布張りとなり、先進感ある7インチカラーディスプレイメーターとほぼ水平にレイアウトされる9インチワイドディスプレイのナビ画面によるインターフェースは新型アリアさながらです。シートのかけ心地もクッション感、ホールド感がより高い仕立てになっています。
後部座席
ハイトワゴン系の日産 新型デイズも室内空間の広さが大きな魅力ですが、この新型サクラも同等の室内空間が確保されています。
その後席は、具体的に示すと身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で頭上に170mm、膝周りに最大340mmという、ボックス型ミニバンの2列目席に匹敵する、想像を超えた広さがあります。
フルフラットフロアとの相乗効果で、2名乗車での居心地は文句のつけようがありません。また長身の人でも、前席下につま先が入るスペースがあるので、後席に座っていてもゆったりできます。
ただし、170mmスライドする後席を最後端位置(膝周り340mm)にセットすると、荷室の奥行は385mm(メーカー値)と最小限です。しかし、後席を前方にスライドさせれば最大540mmまで拡大できます。
安全装備
新型サクラはJNCAPの新総合評価(自動車安全性能2022)において最高評価の「ファイブスター賞」を獲得しました。
360度セーフティアシスト(全方位運転支援システム)のほか、SOSコール、日産コネクトナビによるオペレーターサービスも利用でき、安全装備、高速走行時の運転負担を軽減してくれるプロパイロットを含む先進運転支援機能でも軽自動車クラスの中でリードしています。
新型サクラのおすすめグレード
新型サクラのグレードはベースのXと上級装備のGの2グレードで、駆動方式は2WDのみとなっています。モーターは2グレードともに同じで、WLTCモードでの航続可能距離も180kmと同一です。
価格は2023年5月時点でXが254万8700円、Gが304万400円となります。
細かい装備類の違いを挙げていくとキリがないので、大きな装備差を紹介すると、上級のGグレードには電気自動車専用日産コネクトナビゲーション、インテリジェントアラウンドビューモニター、プロパイロット、SOSコールなどが標準装備されます。
もちろん、Xグレードにも電気自動車専用の日産コネクトナビゲーションなどをオプション装備することができます。
高速走行の機会がほぼないならXグレード+電気自動車専用日産コネクトナビゲーションで十二分に足りるでしょう。
新型サクラであちこち遠くまでドライブしたいという人であればプロパイロットも装備されるGグレードがおすすめです。
新型サクラのライバル比較
現時点で、新車で買えるライバルは存在しないに等しいと言えます。
価格、動力性能的には軽ターボモデルとなるはずですが、加速のスムーズさ、静かさでは軽ターボモデルはライバルにはなりません。
自宅に充電設備があり、遠出も際もしっかりと経路充電プランを立てておけば、充電に関する心配のほとんどは解消されるはずです。
新型サクラのカラーバリエーション
ボディカラー | 備考 | |
モノトーン | ホワイトパール | オプション価格3万3000円 |
ソルベブルー | オプション価格3万3000円 | |
スパークリングレッド | ||
アッシュブラウン | オプション価格3万3000円 | |
ブラック | ||
スターリングシルバー | ||
2トーン | ブロッサムピンク×ブラック | オプション価格8万2500円 |
ソルベブルー×チタニウムグレー | オプション価格9万3500円 | |
暁-アカツキ-サンライズカッパー×ブラック | オプション価格9万3500円 | |
ホワイトパール×チタニウムグレー | オプション価格9万3500円 | |
スパークリングレッド×ブラック | オプション価格6万6000円 | |
チタニウムグレー×ブラック | オプション価格6万6000円 | |
フローズンバニラパール×ブラック | オプション価格6万6000円 | |
ソルベブルー×ブラック | オプション価格7万7000円 | |
ホワイトパール×ブラック | オプション価格7万7000円 |
新型サクラはこんな人におすすめ
新型サクラは電気自動車であるため、自宅に200Vの充電設備が設置されている、あるいは設置できる環境にあることが基本となってきます。
クルマは1台しか持つことができませんが、行動半径は近所、そう遠くないエリアのみという方におすすめです。あるいは、クルマがもう1台以上あり、新型サクラを静かにスマートに乗れるご近所専用のサブカーとして使いこなすといった人にも良いでしょう。
またはガソリンスタンドの廃業が相次ぐ地方在住者(自宅充電設備必須)のちょい乗りの足として使うという人、これまでに挙げた3つの生活環境、生活スタイルにぴったりなのが軽自動車規格の電気自動車、新型サクラということになります。
【筆者:青山 尚暉 カメラマン:堤 晋一/茂呂 幸正/日産自動車】
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