BMW X1 試乗レポート/岡本幸一郎(3/3)

BMW X1 試乗レポート/岡本幸一郎
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多くのユーザーが手に入れ易い「現実的なクルマ」

ちなみに試乗車のタイヤ&ホイールは、sDrive18iが17インチ、xDrive25iが18インチ。

乗り心地は、タイヤの厚み、バネ下重量などの違いがそのまま表れていたのだが、筆者にとっては18インチのほうがマッチングがよいように感じられた。このあたりは好みの分かれるところだと思う。

後席にも座ってみたが、居住性は高く、成人男性もゆったり座れるスペースが確保されている。乗り心地も概ね快適だ。

後席が広いぶん、ラゲッジルームの奥行きが犠牲になっているのかと思えば、そんなこともない。通常の容量は420リッターで、最大31度のリクライニングが可能な背もたれを垂直に調節すると480リッターまで拡大する。

背もたれが3分割の可倒式となっているのも特徴で後席中央を倒すことで、大人4人が乗りつつ長尺物のスキー板などを車内に積みたいときなど重宝しそうだ。

床下にはトレーが、左右にはポケットが備わり、壁面には12V電源も装備されている。ただし、ツーリングのようにリアウィンドウを単独で開閉することができないのはちょっと残念ではある。

BMWの新顔となったX1。1シリーズの弱点であった居住性や積載性への不満も払拭しているし、すでに良いイメージの浸透したBMW Xシリーズに期待される雰囲気を持っていながらも、車高は低く、サイズも手頃で、とっつきやすさがある。

価格についても、なにかと363万円のsDrive18iに目が向きがちだが、実はxDrive25iの480万円というのも、よくよく考えると内容のわりには割安感があると思う。

メインターゲットは国産車や他ブランド欧州車からの乗り換えも含む40代以下の人とのことだが、たしかにこの価格ならなんとかなるという人も少なくないだろう。

富裕層だけでなく、今の世の中、憧れのクルマにはなかなか手が届かないと思いがちな、ごく一般的なユーザーにとっても、このクルマはいたって現実的な存在で、かなえることのできる“夢”になるのではないかと思う。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

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