「ヴィラ・デステ・コンクール・デレガンス」イベントレポート/九島辰也(1/2)
- 筆者: 九島 辰也
- カメラマン:BMW
これは4日間に渡りクラシックカーで日本の世界遺産を巡るもので、公道ラリーとしてクラシックカー愛好家に親しまれている。個人的に第一回から3年続けて出場していたが、毎年のようにBMWジャパンがそれをサポートしていた。
そして海の向こうではミュンヘンの本社が「ヴィラ・デステ・コンクール・デレガンス」をサポートしている。そう、彼らはヨーロッパのカーカルチャーのシンボル的なそのイベントのメインスポンサーなのだ。
ヴィラ・デステ・コンクール・デレガンスとは1929年からイタリアで行われるクルマのデザインをメインにしたカーショーである。開催される場所はミラノ北部に位置するコモ湖。その湖畔にあるヴィラ・デステの中庭が開催場所だ。
コモ湖は古くからイタリアの貴族や芸術家が別荘としてのヴィラを持つ避暑地。アルプスの麓ということもあり、湖のまわりには大自然が広がり絶景を楽しませてくれる。
そんな場所で行われるのだから、なんとも優雅なカーショーである。
ここでお披露目されるクルマのほとんどが、公の場にはじめて出てくるものばかりとなる。というのも、どこかのモーターショーに一回だけ展示されたデザインスタディだったり、ル・マンのような大きなレースで勝利したレーシングカーだったりするからだ。それに世界の富豪が自分のためだけにつくらせたものもある。
そんなクルマを見ていると、そもそもクルマはワンオフだったことを思い出す。ヘンリー・フォードが生み出した大量生産方式もあるにせよ、多くの場合、かつてクルマは一台一台オーダーでつくられていた。
それを象徴していたのが、1959年型ロールスロイス「シルバークラウド」。このシューティングブレークのカーゴには、文字通りライフル銃とそのラックがきちんとつくり込まれていた。
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