BMW 7シリーズ 海外試乗レポート(2/4)

BMW 7シリーズ 海外試乗レポート
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正統派サルーンに“個性”とはどうあるべきか

試乗3

『駆けぬける歓び』を標榜し、例えサルーン・モデルでもドライバー本位のクルマづくりがアピールをされるBMW車。実際、新型7シリーズではその佇まいからもそうした確固たるフィロソフィが伝わってくるかのようだ。

前述のように全長が5mを超えるモデルでありつつも“ロングノーズ/ショートデッキ”というスポーティなプロポーションが明快。下手をすれば「古典的」な雰囲気が強くなってしまいそうな中で、しっかりとモダーンなテイストをアピールするのはさすがのポイントだ。

一方で、多少の癖の強さを伴った従来型の姿に慣れた目には「今度はちょっとコンサバに過ぎるかな」という思いも脳裏をよぎる。多くのユーザーを獲得しようと“間口”を広げれば今回のモデルのように冒険が出来ず、他のモデルには見られない個性を強調しようとすれば従来型のようにアクが強いと言われる――このあたりが、正統派サルーンをデザインするにあたっての極めて難しい部分であるだろう。

極めて上質な仕上がりを見せるインテリアは、ATセレクターがコラムからセンターコンソール上へと戻り、オーディオやパワーシート、マルチメディア・コントロール系の“iドライブ”類を操作するためのスイッチが数を増やした。

このあたりは、「まずはスイッチ数の削減」を目的に操作系を整理した従来型が、それゆえにかえって操作性を低下させた事に対する反省点であるのが明らか。実際、新型のナビゲーション・システムの扱いやすさなどは、今度はライバル各車を含めて「最上級」にある。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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