BMW 7シリーズ 試乗レポート(4/4)
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:島村栄二
大きな体躯を操るための4つのモードに注目
また、7シリーズの特徴の一つにダイナミック・ドライブ・コントロールがあるが、これはダンパーの減衰力を4段階で変化させるもの。“コンフォート”ではソフトで路面の凹凸を軽くいなしてくれる。このモードでもピッチングはギリギリセーブしてくれる。“ノーマル”でBMWらしいちょっと締まった感じになり、“スポーツ”では突き上げがやや大きくなるが、ロール速度が抑えられるので、よりハンドルの追従性などが上がる。“スポーツ+”はスタビリティコントロールを解除するモードになるが、その他は変わらない。ただタイヤが少し接地を失おうとすると即座に作動するスタビリティコントロールを煩わしく思うドライバーには必要なモードだろう。しかしこれほどのトルクを2輪で制御するには“スポーツ”モードまでにしておいた方が良いだろう。
このシステムはダンパーだけでなく、エンジンのピックアップ、オートマチックの変速タイミング、パワーステアリングの操舵力も変化する。ちなみに“スポーツ”ではハンドルの操舵感が硬くなる。通常では“ノーマル”で十分。
アクティブスタビライザーは電気によってスタビライザーの特性を変え、ロールを抑える機構だが、こちらもかなりロールを抑えるのに効果があり、システムとして成熟された感がある。
エンジンの違いでは750iでは十二分にお釣りがくるほどのパワー。ビッグトルクでグイグイと加速していく様はまさにフラッグシップに相応しい。ただ微低速回転ではアクセルの反応が鈍いので、微低速で走るのはあまり得意ではない。一方740iは滑らかな加速があり、高速まで引っ張れ、かつフラットなトルクを引き出すので、このエンジンで十分だと思わせる。
ハンドリングも740iの18インチは軽快な動きでサイズを感じさせないフットワークの良さがある。750iの20インチはグリップが高く、ハンドルの応答性も良いが全体の滑らかさ、ハンドルの切り替えしでの応答性などは740iには及ばない。個人的には740iの18インチで存分にBMWらしさを楽しめると思う。
さて、安全面では高い衝突安全性を持ったボディやスタビリティコントロールはもはや常識。ナイトビジョン、アダプティブヘッドランプ、オートパーキングシステムなどハイレベルの安全システムで乗員は守られることになる。
7シリーズには今後、BMW初のハイブリッドが投入される予定だ。このシステムはシングルモーターのエンジン主体のハイブリッドになる。
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