BMW 新型5シリーズツーリング 試乗レポート|新型はライバル勢から一歩抜きん出た総合力を備える!(2/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
今のBMWが誇る実力の高さを象徴するかのような上質なドライブフィール
発表時点でのモデルラインアップは全10機種で、価格帯は650万円~1069万円まで、 セダンに対してざっくり約50万円高となっている。
その中から今回は、340psの3リッター直6ターボエンジン、インテリジェントAWDシステム「xDrive」、「M Sport」とテンコ盛りの最上級モデル「540i xDrive ツーリング M Sport」(以下「540i」と、売れ筋となるであろう2リッター直4ディーゼルの「523d ツーリング Luxury」(以下「523d」)をドライブしたところ、セダンのときにも感じた、いずれも極めて滑らかで軽やかな走りに仕上がっていることに、まず感銘を受けた。この上質なドライブフィールこそ、今のBMWが誇る実力の高さを象徴するかのようだ。
エンジンも素晴らしい。「540i」は、いまやBMWでも貴重になってきたストレートシックスならではの美しいエキゾーストサウンドと、トップエンドまで続く伸びやかな吹け上がりを味わわせてくれる。絶品のフィーリングだ。
一方の、新たにアドブルー(尿素SCRシステム専用の尿素水)を採用したクリーンディーゼルモデル「523d」も、スペックは不変ながら従来より力感が増しつつノイズや振動が低減されており、最初に知らされていなければディーゼルだとわからないぐらいだ。しかも、さらなる燃費向上をはたし、JC08モード燃費はクラストップレベルの19.4km/Lというカタログ燃費を実現したというのも見逃せない。
ライバル勢から一歩抜きん出た総合力
乗り心地の快適性も上々だ。また、後輪操舵も行なう可変レシオステアリングもさらに進化して、ごく普通に市街地を走るぶんには、まったく違和感を覚えることはなかった。けっして小さくない車体サイズでありながら、それを感じさせない俊敏な回頭性と、優れた操縦安定性を見事に両立している。
かつてのツーリングでは、人や荷物をたくさん積んで重くなった状態での操縦安定性を確保するためか足まわりが強化され、とくに後席の乗り心地が硬くなっていたり、車体の剛性感に劣るなど、セダンに対する走りの質に大なり小なり違いが見受けられたものだが、その差がかなり縮まった。難しいランフラットタイヤも巧く履きこなしている。
「523d」でも十分に快適だが、扁平な19インチタイヤを履きながらも電子制御ダンパーの与えられた「540i」は、よりフラット感が高くフットワークも軽快に感じられた。
部分自動運転を可能とした運転支援システムの採用も、新型5シリーズ ツーリングにおける大きな特徴のひとつ。これを渋滞にも対応したという前走車との車間維持機能や車線維持機能を試してみると、動作は非常にスムーズで的確であることが確認できた。
このように、あらゆる面で大きく進化をとげた新型5シリーズ ツーリング。上級ワゴンを求めるユーザーに向けてプレミアムブランド勢がしのぎを削るこのカテゴリーにおいて、総合力で一歩抜きん出たといっても過言ではない、素晴らしいクルマに仕上がっていた。
[レポート:岡本幸一郎/Photo:茂呂幸正]
BMW 540i xDrive Touring M Sport 主要諸元
全長×全幅×全高:4,950×1,870×1,500mm/ホイールベース:2,975mm/乗車定員:5名/駆動方式:四輪駆動(4WD)/車両重量:1,900kg/エンジン種類:直列6気筒DOHCガソリン/総排気量:2,997cc/最高出力:340ps(250kW)/5,500rpm/最大トルク:45.9kgf-m(450Nm)/1,380-5,200rpm/トランスミッション:電子油圧制御式8速AT/使用燃料:無鉛プレミアムガソリン/燃料消費率:11.9km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:(前)245/40R19 (後)275/35R19/メーカー希望小売価格:9,898,148円(消費税込)
※試乗・撮影車はオプション装着モデル
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