ベントレー ベンテイガ V8・コンチネンタル GT コンバーチブル 試乗|真夏の夜の夢 2019(4/4)

  • 筆者: 今井 優杏
  • カメラマン:小林 岳夫/取材協力:うかい鳥山
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やさしさに包まれたなら

そんな切なさ満開の我々の前に、ドドンと鎮座ましますのは復路に選んだコンチネンタル GT コンバーチブルだ。

絶句。絶句なんである。

美しすぎる。

昨年11月末に発表され、日本においても一番新しいベントレーとなるのがコレだ。第3世代に進化し、流麗なスタイリングで登場したエクステリアはもとより、内装には胸が震えた。

ベントレーは先進と伝統を組み合わせるのがとても巧い。オープンルーフのために他人目にも触れることが多いコンバーチブルだから、その作り込みにはさらに精緻を極めている。驚くべき完成度の高さだ。

12.3インチのデジタルインターフェースの採用により、内装にも先進感が与えられたのだが、なんとボタンひとつでくるりと回転し、ウッドパネルでディスプレイを隠す事も出来る。1台に使用される木材は10平方メートル以上なのだとか。希少なウッドも多用し、妥協なき世界観を作り上げている。

レザークラフトもまた、ベントレーらしい“手仕事”の丁寧さが散りばめられたものだ。シートだけでなく、ドアパネルの内側の色のあしらい方などは、モード的ですらある。

もちろん、ルーフを開けて乗り込んだ。走り出しは山道から。決してフラットと言えない路面で、やはり唸らせられるのは剛性の高さだ。心臓部は6.0リッターW12 TSIエンジン。最大出力635ps、最大トルク900Nm(!)、0-100km/h 加速は3.8秒と、レーシングカーと見まごうほどの数字が並ぶ。しかし、オープンカーなのだ。これほどのエンジンを抱いてなお、屋根を開けて走らせるなんて、どこかになにかしらの振動やガタつきが出てもいっこも不思議じゃない。

しかし、コンチネンタルGTコンバーチブルのエレガントなこと! 0km/hから走り出すときの淑やかな印象は、山道に走り出しても翻らない。

こちらにもベンテイガ V8と同じく、48Vのアンチロールコントロールが採用されている。各アクスルのアンチロールバーにある電子アクチュエーターを制御・調整してハンドリングと乗り心地を向上させる、というもので、コレも山道でのコーナリングに貢献していることに疑いようはない。さらにダンパーを調整する連続可変ダンピングコントロールも効果を現している。しかし、注目したいのはこのシステムがしっかり快適に動作する大元、堅牢なボディなのだ。今回、シャシーも最新式に変更され、20%の軽量化とともに5%の剛性アップも実現している…なんていうのを見なくとも、何回も言うけどオープンカーでこのカッチリさは、本当にマーベラス、としか言いようがない。なんでこんなクルマが作れるのかと英国・クルーに行って、マイスターの肩の一つでも叩きたくなるほどだ。

高速走行になると、さらにそのかっちりとしつつもしなやかな走りが際立つ。風の巻き込みもほぼ気にならない…のだが、もう巻き込むとか巻き込まないとかどうでも良くなってしまうほどに高揚感のあるハンドリングなのだ。しっとりと路面を捉えつつ、かつ再加速の際にはW12がワイルドに、アメとムチ的な二面性を常に見せ続けてくれることに、完全に魅了された。

ちなみにルーフは50km/h以下であれば19秒でクローズする。

閉めれば完全にクーペと変わらない、気密性の高い室内が現れるのだ。吐息さえ聞こえるほどの。

2台のキャラクターの違うベントレーに感じたのは、飽くなきラグジュアリーへの追求だ。選ばれたものにしか開かれていない扉だとしても、ここに向かって走りたくなるような魅力…いやもう魔力と言ってもいいのかもしれない。セレブを虜にするある一端を垣間見て、人生って果てしないなぁとコンバーチブルから流れる夜景を見つつ、T編集長とともに帰路についた我々であった。顧客平均の53歳までがんばったら、たどり着けるかな?

[筆者:今井 優杏/撮影:小林 岳夫/取材協力:うかい鳥山]

コンチネンタル GT コンバーチブル / ベントレー ベンテイガ V8 主要スペック比較表

車種名

コンチネンタルGT
コンバーチブル

ベンテイガ

グレード名

6.0 4WD AT

V8 4WD AT

価格(消費税8%込み)

28,317,600円

20,044,800円

全長×全幅×全高

4820mm×1945mm×1400mm

5140mm×1998mm×1742mm

ホイールベース

2745mm

2995mm

駆動方式

4WD

4WD

車両重量

2530kg

2388kg

乗車定員

4名

5名

エンジン種類

W型 12気筒 DOHC

V型 8気筒 DOHC

総排気量

5998cc

3996cc

エンジン最高出力

434kW(590PS)/6000rpm

404kW(550PS)/6000rpm

エンジン最大トルク

720Nm(73.5kg・m)/1700rpm

770Nm(78.5kg・m)/1960rpm

トランスミッション

8速AT

8速AT

使用燃料

ハイオク

ハイオク

タイヤサイズ

前:265/40ZR21
後:305/35ZR21

285/45ZR21(標準仕様)

ベントレー/ベンテイガ
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新車価格:
2,185.7万円3,197.7万円
中古価格:
1,144万円4,700万円
ベントレー/コンチネンタルGTコンバーチブル
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中古価格:
709万円3,637万円
ベントレー/コンチネンタルGT
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中古価格:
280万円5,695万円
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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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