ベントレー ベンテイガ V8・コンチネンタル GT コンバーチブル 試乗|真夏の夜の夢 2019(3/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:小林 岳夫/取材協力:うかい鳥山
八王子の山道を往くVOYAGER
やっとのことで渋滞を抜けたら、あとは高尾山までガラガラのワインディングロードをひた走る。陽はすでに落ち、複雑に曲がりくねった山道は車幅も狭い。しかし、ここでこそV8らしい個性を遺憾なく発揮し、ハンドリングを楽しませてくれた。
当然だけどあきらかに鼻先が軽く、ひらりひらりとリズミカルに山道を駆け上がっていくのだ。甚大なパワーのおかげで、登坂にも息継ぎの隙間はない。そのシームレスさはビッグエンジンならではの抗いがたい魅力だと思う。
このベンテイガ V8 には48Vの電動式アクティブロールコントロールが採用されている。コーナリング時のロールを瞬時に抑え、タイヤの接地を最大限に確保するというのがその内容だが、このロールのコントロールがあまりにリッチ過ぎないのが存外に楽しかった。外側に振られるような挙動は抑えられているのに、きちんとスポーツフィールは残してあり、ハンドリング自体はSUV、それもかなり大柄な体躯を持つ部類のクルマであることを忘れさせるほどの軽快さだ。かなりクイクイと曲がるのだけど、程よく“しなり”を与えて遊ぶ隙をチラつかせる。ベンテイガの中でもW12ほど魔法の絨毯的(つまり完全なるフラットとでも言おうか)ではなく、まさにまだ若く、自らハンドルを握って郊外に繰り出すドライバーのために味付けをしているような感じだ。
この身のこなしなら察するに、雪道でも頼りがいのあるファンドライブが実現されるかもしれない。
目的地に向かいながら、さらに次のドライブを計画してしまうような、どこか人を前に向かわせる魅力を感じたベンテイガ V8。時代をのしていくパワフルな人々に選ばれる理由が垣間見えた。
ナビはどんどん山道を分け入っていくように指示をする。ベンテイガ V8は微塵も怯むことなくずんずんと暗闇を切り拓いていくのだけど、ハンドルを握るドライバー当人がやや不安になる。『もしやタヌキにでも化かされているんじゃないか…だいたい庶民なあたいがこんなクルマに乗せてもらってるだけでもアレなのに』なんて自虐を始めた頃、まるで千と千尋の神隠しみたいな桃源郷が見えてきた。
「うかい鳥山」だ。
初めて知った。こんな素敵ミラクルなお食事処を、八王子が隠し持っていたなんて!
まさにそのとき、滝クリの結婚が発表されたばかり。「進次郎とはこんなところで逢引していたに違いない」「なんとなく談合の匂いがする」なんていう素人丸出しの会話をしながらおそるおそる門戸を叩いて知ったのだが、ここは八王子市民が冠婚葬祭など大事な家族のイベントにも使う、健全な場所でもあるのだという(あたりまえだ)。
広大な敷地に壮麗な日本家屋、庭園。素敵すぎてつい過大に勘ぐってしまってゴメンナサイ。
この敷地内では鑑賞用に蛍の飼育も行っているのだという。儚く揺れる透明な光を想像していたのだが、くっきりハッキリ点灯するその光は、しかしどこか夏のおわりを告げているようでもあり、今思い出してもキュンとする夏の光景となった。
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