日本の道にちょうどいいアウディ A3&S3が8年ぶりに新型へ! デザイン良し・走り良しの優等生(2/3)

  • 筆者: 嶋田 智之
  • カメラマン:MOTA編集部・アウディAG
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999ccのダウンサイジングターボと48Vマイルドハイブリッドによる組み合わせに大満足

そろそろ肝心の“いや〜、まいったなぁ……”のお話をしよう。

僕が最初に試乗したのは、A3 セダンのファーストエディション(472万円・諸非税込み、以下同)だった。125台限定の日本導入記念的なモデルで、30TFSI advanced(365万円)という上級グレードをベースにしてさらに様々な装備を持たせた、いわゆる“全部載せ”である。

実はこの30TFSIのパワーユニットというのが、今回のA3シリーズのひとつの大きなトピック。従来の999cc直列3気筒ターボに改良の手を加えつつ、48Vマイルドハイブリッドと組み合わせたものだ。最高出力110ps/5500rpm、最大トルク200Nm/2000-3000rpm。数値の上では大したものじゃない。車重だって1300kg以上あるわけだし。

そう思って走り出したのだけど、これが大したものだった。いってしまえばリッターカー、である。なのに、街中やちょっと峠道では不満らしい不満を感じさせずに、当たり前のように軽やかに走ってくれるのだ。確かに高速道路の中間加速でここ一発のチカラが欲しいときなどには少しじれったい想いをすることもある。けれど、何も聞かされずに走って後から気筒数や排気量を聞かされたら誰もが驚くだろう力強さは楽々ある。俊足だとまではいわないが、楽しさを感じながら走れるくらいのスピードだってある。そんなときでも昔の3気筒のような振動はもちろんない。室内だって望外に静かだ。これはちょっとばかり驚きに値するレベル。半信半疑でいる皆さんも、おそらく同じように驚きを感じるに違いない。

アウディ/A3セダン
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新車価格:
355万円528万円
中古価格:
89.2万円517.8万円

デュアルクラッチの弱点であるギクシャク感を完全に解消

もうひとつ大切なのは、微速域・低速域での滑らかさ。7速のSトロニックはデュアルクラッチ式で、ジワジワ進むような場面ではクルマの動きを少しばかりギクシャクさせてしまいがち。その領域をマイルドハイブリッドのシステムが巧みにカバーしてくれるから、まるでトルコン式ATのように気づかいなしで走れてしまうのだ。

それに街中を走っていても、アクセルペダルを戻すと即座にエンジンが停止してコースティングに入り、加速しようと踏み込むとすんなり再始動して速度を上げはじめる。その所作はほとんどシームレス。意識していなければ、いつエンジンが停止していつ始動したのか、気づかないことだってあるくらいだ。

たった999ccの3気筒が、これほどまでに上質感を覚えさせてくれる時代が来るとは思わなかった。そんな感慨すら湧いてくる。

ちなみにこのクルマ、乗り心地も見事といえるくらいに快適だ。フェーストエディションでは最もベーシックなグレードより2インチ大きい18インチを履いているというのに、路面のイタズラなどさらっと受け流し、ああらゆる速度域で心地好い。脚の動きは軽やかなのにフィールとしてはしっとりした印象で、荷重も自然に動いてくれるから、コーナリングも全く苦手としていない。峠道ですら気持ちよく楽しく走れてしまう。

アウディの“推し”が30TFSIである理由が、すっかり身体で解っちゃったのだった。

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嶋田 智之
筆者嶋田 智之

本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと4つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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