アウディ A1 試乗レポート(1/3)
- 筆者: 森口 将之
他のプレミアムコンパクトとは異なる立ち位置に存在する
プレミアムコンパクトというコンセプトは、「小さな高級車」として、昔からあった。でも、なかなか主流になれなかった。「大きくリッパに見えるのが高級車」という呪縛から逃れられなかったからだ。
それが21世紀になって、急にメジャーになった。
環境問題という後押しもあって、MINIに続いてフィアット 500、アルファロメオ ミト、シトロエン DS3が登場した。
そして今度はアウディ A1である。
個人的にプレミアムコンパクトだと思っている(というか自ら堂々と主張してほしい)日産 ジュークを含めれば、コンパクトカーを得意とする日欧5カ国が持ち駒を登場させたことになる。
しかし、A1は他の4台とは立ち位置が異なる。
MINIのように過去の遺産を現代によみがえらせたわけでも、DS3のように最新トレンドを反映したわけでもない。まったく新しいブランドを起用せず、他のアウディと同じ「A」という文字を継承したことでわかるように、あくまで既存のアウディの延長線上にある。
プラットフォームはフォルクスワーゲン ポロと共通だが、ボディは3ドアのみとなる。日本仕様のポロには逆に3ドアがないから、結果的にうまく棲み分けができている。
さらにエンジンはポロが1.2リッターなのに対し、1.4リッターの直噴ターボとすることで差を付けた。組み合わせられる7速Sトロニックが、基本的にDSGと共通のメカであることは、改めて説明するまでもないだろう。
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