アルファロメオ ステルヴィオ ディーゼルモデル 試乗! ディーゼルらしからぬスポーティさに脱帽(3/3)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:茂呂 幸正
アルファロメオは“クルマ好き”のニーズを分かっている
ディーゼルエンジンを積むSUVというのはエンジンの強力なトルクに支えられながら穏やかに悠然と走るのが似合うようなところがあるけれど、ステルヴィオDはちょっとばかり違う。
もちろんそうした大人な走らせ方だって当たり前にこなしてくれはするが、パドルで積極的にギアを切り替えながらエンジンの最も美味しい領域を自分のウデで引き出してワインディングロードを楽しむような走り方をついついしたくなるし、ドライバーのそうした気分を見事に満たしてくれる。
クルマ好きが何を求めているのか、よく解っているのだ。これはもうアルファロメオ以外のナニモノでもないじゃないか……。
アクセルを踏めば踏むほど、“ディーゼルっぽい音”が抜けていく
ちなみに多くの人が気になっているだろうサウンドは、やっぱりディーゼルならではの範疇にある。まぁ当たり前といえば当たり前だろう。でも、カラカラ音がほとんどないせいか、耳障りな感じはしない。さらには高速道路を巡航するようなときにはエンジン音が意識の中に入ってくることはなく、タイヤが発するロードノイズの方が気になるくらいの静けさだ。
そして面白いことに、回転を上げていくと音色からはどんどんディーゼルっぽさが抜けていき、次第に雄々しく響くような音質へと変わっていく。サウンドのチューニングもよく考えられているな、と思う。
もちろん燃費も悪くない
燃費に関して触れておくなら、WLTCモードで16.0km/Lと公表されている。市街地モードでは12.1km/L、郊外モードでは16.4km/L、高速道路モードでは18.3km/L。
そして、これは個人差があるものだからあまり参考にならないかも知れないけれど、僕が600km少々を走った中でときどき思い出したように計測してみたら、都内と某地方都市の街中ではあまり気を使わずに走ってもメーター上で12km/Lぐらいは走ったし、高速道路でドライブ・モードを“A”、つまり燃料消費を最大限抑えるモードに切り替え、左のレーンでは少しだけ気を使いながら流れに合わせて走ったときには21km/Lをマークした。
タンク容量は64リッターだから、いずれにしても満タン1回で走れる距離はガソリンエンジンと較べたら格段に長い。
ステルヴィオDは“ディーゼル嫌い”な人にこそオススメしたいクルマ
なるほど。ステルヴィオDは、ディーゼルエンジン搭載車のネガティヴなトコロを極力排除しながら、ディーゼルエンジン搭載車だけが持ちうる楽しさを徹底的に追求したモデル、といえるだろう。
ステルヴィオの2.0リッター直4ターボモデルがお気に入りな僕だけど、ベストはどっち? と訊ねられたらかなり悩む。しかも、価格が他メーカーのライバル達より安価なばかりか、ガソリンエンジンを積むほどのステルヴィオよりも廉価な617万円からという設定なのだ。
ちょうど各ディーラーにデモカーが配備され終わったタイミングなので、皆さんもぜひ試乗して、比べてみて、苦悩してみていただきたいと思う。これまで食わず嫌い的にディーゼル搭載車を黙殺していたような人やディーゼル嫌いを自認していたような人こそ、気持ちの振れ幅が大きいはずだ。
[筆者:嶋田 智之/撮影:茂呂 幸正]
ステルヴィオ 2.2ターボディーゼルQ4 主要スペック
アルファロメオ ステルヴィオ 2.2ターボディーゼルQ4 主要スペック | ||
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全長 | 4690mm | |
全幅 | 1905mm | |
全高 | 1680mm | |
ホイールベース | 2820mm | |
乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1820kg | |
エンジン種類 | 直列4気筒インタークーラー付ターボ | |
駆動方式 | 4WD | |
排気量 | 2142cc | |
エンジン最高出力 | 154kW(210PS)/3500rpm | |
エンジン最大トルク | 470N・m(47.9kg・m)/1750rpm | |
トランスミッション | 電子制御式8速オートマチック | |
燃料/タンク容量 | 軽油/64リッター | |
メーカー希望小売価格(消費税込) | 617万円 |
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