アルファ ロメオ ジュリエッタ「クアドリフォリオ・ヴェルデ」ローンチエディション 試乗レポート／嶋田智之(3/3)

1.4ターボモデルとはアシの違いが明確

走り出してみると、やはりすぐに違いが判る。サスペンションがかなり締め上げられているからだ。実際にバネやダンパーが数値上でどれほど変わっているかはデータがないので判らないが、標準型1.4ターボモデルから乗り換えれば即座に判る程度には固い。

けれど喜ばしいことに、足がしっかりと伸び縮みしている様子はちゃんと感じられて、乗り心地が酷くなった印象はない。速度域が上がるとそれに加えて路面を踏みしめているような安定感が目立ってくるし、トルクが全域で豊かでスロットルを少し踏み込めばスッと速度を上げてくれるから、高速道路を使った長距離移動などはこれまで以上に楽になった。

これぞ「アルファ ロメオ」！ なワインディングの愉しさ

ワインディングロードに飛び込むと、さらに大きな喜びが感じられる。

こうしたステージではピカイチといえるほどの優れたハンドリングでドライバーを楽しませてくれるのがジュリエッタの元々の大きな持ち味なのだが、クアドリフォリオ・ヴェルデのよく締め上げられたシャシーはこれまで以上にタフなコーナリングを容易く受け入れてくれるし、そもそもエンジンの速さが段違いだ。低回転域から高回転域まで満遍なくシャープな、ターボ車らしからぬレスポンス。あらゆる領域で沸々と湧き出すトルク。刺激的なサウンドを響かせながらトップエンド近くまで伸びていくパワー。コーナーからの立ち上がりも次のコーナーへと向かうスピードの伸びも、興奮モノの速さなのだ。いや、パワートレーンが同じとはいえ、4Cとは成り立ちも車重も異なるから、そこまでの加速力やフットワークこそ期待すべきじゃないが、この高揚感こそは近似値にあるように思うし、パフォーマンスそのものもジュリエッタをこのクラスのトップの辺りまで押し上げていると思う。

クルマ好きの血がたぎる、より濃厚な１台

本当のところはスポーツ性も操る楽しさも、標準型のジュリエッタで充分に満足のいくレベルにあると思う。だから知人から「どっちを選んだらいい？」なんて問われたら、大抵の場合はスタンダード・モデルをオススメするだろう。けれど呆れ果てたことに、僕にもちょっとばかりマニアックな血が流れているようで、ひとりのクルマ好きとしてはもっと速く！ もっと気持ちよく！ もっと濃厚に！ を求めてしまう。クアドリフォリオ・ヴェルデは、そうしたちょっと症状の重い人にとっての特効薬でもあるのかも知れない。

いずれにしてもアルファ・ロメオの100年を超える歴史の中で、ここまでの速さと楽しさをモノにしておきながら、ここまで快適で使い勝手も良く、維持も容易で、しかも一昔前やそれ以前とは比較にならないほど厳しいものが求められる環境性能を満たしたクルマというのは、他に存在しない。それを想うと、ますます真っ直ぐに、この新型クアドリフォリオ・ヴェルデが魅力的に思えてくるのだ。

[レポート：嶋田智之]

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アルファ ロメオ ジュリエッタ「クアドリフォリオ・ヴェルデ」ローンチエディション 主要諸元

全長x全幅x全高：4350mmx1800mmx1460mm／ホイールベース：2635mm／乗車定員：5名／エンジン種類：直列4気筒DOHC16Vインタークーラー付ターボ直噴ガソリンエンジン／総排気量：1742cc／最高出力：240ps(177kW)/5750rpm／最大トルク：34.7kg-m(340N・m)/2000rpm(Alfa Romeo D.N.A.システム「Dynamic」選択時)[「Natural / All weather」選択時：30.6kg-m(300N･m)/1850rpm]／トランスミッション：Alfa TCT(6速乾式デュアルクラッチオートマチックトランスミッション)／燃料消費率：10.8km/L[JC08モード燃費]／タイヤサイズ：225/40R18／全国メーカー希望小売価格[消費税込み]：4,590,000円／限定販売台数：国内限定50台(世界限定500台)

■特別装備・・・ボディカラー：マットマグネシウムグレー[特別色]／シリアルナンバープレート／カーボンドアミラー／リアカーボンルーフスポイラー／エクステリアエアロパッケージ(フロントスポイラー/リアスポイラー/サイドスカート)／クアドリフォリオ ヴェルデ Launch Edition専用アロイホイール＋225/40R18タイヤ