アルファ ロメオ ジュリエッタ「クアドリフォリオ・ヴェルデ」ローンチエディション 試乗レポート/嶋田智之(1/3)
- 筆者: 嶋田 智之
- カメラマン:オートックワン編集部
クルマ好きから深く愛され続けるイタリアのブランド「アルファ ロメオ」
アルファ ロメオというのは、とても幸福な存在なのだと思う。輝くばかりのヒストリーとストーリーを持ち、壮大なロマンに魅せられて自然と惹きつけられるかのように、クルマ好きの多くが必ずその動向を気にかけているからだ。明らかにファンであることを自ら認める人も少なくなく、イタリアの国民的アイドルといえるフェラーリの熱狂的なファンを指し示す“フェラリスティ”と同様に、“アルフィスティ”という呼び名がある、深く愛されるブランドでもある。
そうであるがゆえに、アルファ ロメオは、常にちょっとした悲劇に見舞われがちな存在でもあると思う。思い入れの強いマニアは従来までの世界観を大切にし、深く愛するがあまり、新しく登場したものをどうしても斜めに見てしまう傾向にありがちだ。
1960~70年代の名車である「ジュリア」を愛する人達は、80年代~90年代の「75」、「155」、「156」などを、おしなべて「薄味だよねー」と評したものだった。そして80年代~90年のアルファを愛する人達は、「159」や「ブレラ」などを「アルファも普通っぽくなっちゃったよね」と評した。そして今では159を愛する人達の中にさえ、最新の「ジュリエッタ」をはじめとするラインナップを「アルファっぽくない」と評する人が現れている。そしてこれまでがそうであったように、現行ラインナップのひとつ手前のモデル辺りまでは、まるで呪文が解けたかのようにあらためて見直される傾向にある。歴史はそんなふうに繰り返されてきたのだ。
マニアには誤解されながらも、ブランドの”濃さ”は今も脈々と続いている
いや、それが悪いといいたいわけじゃない。非難をするつもりもない。マニアというのはそういうものだ。それに世界的にECOの追求のないクルマ作りが許されない昨今、アルファ ロメオが選択せざるを得なかったダウンサイジング系直噴ターボエンジンが、実質的なパワーやトルク、環境性能は別として、他の多くの同類と同じように原動機としての“濃さ”を打ち立てにくい宿命の中にいるのも確かなのだ。
けれど、アルファ ロメオは伝統的に“スポーティ”であることを自らに課しているブランド。エンジンの性能的な側面では従来の同クラスからはっきりと進化を遂げているものの、テイストの面で今ひとつ及ばないのであれば……とばかりにシャシーを徹底的に磨き抜き、ピカイチ級のハンドリングを持たせてスポーティモデルとしての濃厚さを確保しようとしたのだった。
あの「アルファ 4C」の心臓部を移植したフラッグシップモデル
一方ではニュートラルな気持ちでクルマを考えることのできる新しいファン達から、その2ボックスモデルにしては異例に美しいスタイリングなどが評価され、歓迎されている「ジュリエッタ」だが、そうした──ディーラー試乗だけでは判りにくい分野ではあるけれど──素晴らしいテイストを持っているのだから、熱狂的なアルフィスティ達にだってもっと受け入れられていいんじゃないか? と僕は常々感じていた。
けれど、このジュリエッタに新たに追加されたフラッグシップモデルだったらどうだろう? 何せアルフィスティすらすんなり認めざるを得ない特別なモデルであり、世界中で大評判となったアルファ久々の本格スポーツカーでもある、“アルファ ロメオ 4C”のエンジンとトランスミッションを、ほぼそのまま移植したモデルなのだから。これはちょっとばかり無視できないだろう。
[ハイパフォーマンス版ジュリエッタの実態とは・・・次ページへ続く]
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