アルファロメオ ジュリア 新型車解説｜“感情に訴えかけるマシン”がテーマのイタリアンFRセダンが待望の日本デビュー(2/2)
- 筆者： 嶋田 智之
- カメラマン：オートックワン編集部
アルファロメオ ジュリアの日本仕様は4グレードを用意、発売日は2017年10月14日
日本に導入されるグレードは、４つ。ジュリア、ジュリア スーパー、ジュリア ヴェローチェ、ジュリア クワドリフォリオ、である。それぞれのモデルについて、特徴的なところをお伝えしておこう。
◎ジュリア
いわば、ベースグレードである。ただしジュリアそのものがプレミアム・サルーンだから、基本的なパフォーマンスや装備類に不足はないだろう。エンジンは200psの2リッター直4ターボで、他のグレードと同様シートはレザー、8.8インチのディスプレイを持つスマホ連携の可能なインフォティメントシステムも備わっている。ホイールが唯一の17インチだから、最も乗り心地がしなやかなのがこのモデル、ということになるかも知れない。ジュリアの雰囲気は好きだけど一発の速さは求めておらず、ハンドリングの良さと快適さのバランスが欲しい、という人に最適だろう。こちらは受注生産で、右ハンドルのみ。価格は446万円。
◎ジュリア スーパー
歴史的な名前の復活、である。かつての“スーパー”がそうであったように、ラインナップの中のラグジュアリーグレードだ。パワートレーンはジュリアと共通の200ps仕様で、インパネやドア・パネルがステッチ付きのレザーとなり、室内の各部にウォルナット／グレイオークのウッドパネルがあしらわれるなど上質な仕立てとなる。ハーマン・カードンのプレミアム・オーディオも備わっている。ホイールは18インチで、ルックスにも気を配っている。こちらも右ハンドルのみで、価格は543万円。
◎ジュリア ヴェローチェ
ラインナップで唯一4WDシステムを採用しており、エンジンは2リッター直4ターボながら280ps仕様となる、充分にヴェローチェ（＝速い）なモデル。専用バンパーやツインスポークの18インチホイール、スポーツシート、インテリアのアルミパネルなど、スポーティさを強調した仕立てとなっている。ブレーキも強化型を採用した。左ハンドルのみで、価格は597万円。
◎ジュリア クワドリフォリオ
パワーウエイトレシオ3.0kg/hp、0-100km/h加速3.9秒、最高速度307km/h。7分32秒というニュルブルクリンク北コースにおける2016年当時の4ドア・セダン世界最速記録を樹立した、高性能なフラッグシップモデルだ。可変式のフロント・スプリッター、トルクベクタリング、前後異サイズの19インチタイヤ、キャパシティの大きな専用ブレーキ、カーボン・エンジン・フード、カーボンルーフ、アルファCDCと呼ばれる総合シャシーコントロールシステムなどなど、走りのパフォーマンスに関して一切の妥協なしに作られている。右ハンドルのみで、価格は1132万円。ちなみにライバルとなるBMWのM3が431psで1185万円、メルセデスAMG C63が476psで1224万円ということを考えると、最もパワフルなジュリアが最も安価ということになる。
ちなみに発売開始は10月14日の土曜日からで、全国のジュリア取扱いアルファロメオ正規販売店でジュリアの姿を見たいと思っても、10月半ばくらいまでジリジリしながら待つ必要がある。僕達プレスが試乗することのできる機会も、まだもう少し先のことになりそうだ。その日が来るのが待ち遠しくて仕方ない。・・・本当に待ち遠しい。
[レポート：嶋田智之／Photo：オートックワン編集部]
アルファロメオ ジュリア クアドリフォリオ[FR] 主要諸元（スペック）
全長×全幅×全高：4635×1865×1435mm／ホイールベース：2820mm／乗車定員：4名／駆動方式：後輪駆動(FR)／車両重量：1710kg／エンジン種類：V型6気筒 DOHC 24バルブ インタークーラー付ツインターボ ガソリン直噴エンジン／総排気量：2891cc／最高出力：510ps(375kW)/6500rpm／最大トルク：61.2kg-m(600Nm)/2550rpm／トランスミッション：電子制御式8速オートマチックトランスミッション／使用燃料：無鉛プレミアムガソリン／サスペンション：(前)ダブルウィッシュボーン式(後)マルチリンク式／タイヤサイズ：(前)245/35ZR19(後)285/30ZR19／メーカー希望小売価格：11,320,000円[消費税込]
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本人いわく「ヤミ鍋系」のエンスー自動車雑誌、『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー専門誌『ROSSO』の総編集長を担当した後、フリーランスとして独立。2011年からクルマとヒトに照準を絞った「モノ書き兼エディター」として活動中。自動車イベントではトークのゲストとして声が掛かることも多い。世界各国のスポーツカーやヒストリックカー、新旧スーパーカー、世界に数台の歴史的な名車や1000PSオーバーのチューニングカーなどを筆頭に、ステアリングを握ったクルマの種類は業界でもトップクラス。過去の経歴から速いクルマばかりを好むと見られがちだが、その実はステアリングと４つのタイヤさえあるならどんなクルマでも楽しめてしまう自動車博愛主義者でもある。1964年生まれ。記事一覧を見る
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