スズキ ワゴンR 20周年記念車 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)

スズキ ワゴンR 20周年記念車 試乗レポート/渡辺陽一郎
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メカニズムのテコ入れを行い、王者奪還を目指す

スズキ ワゴンR 20周年記念車

まさに「軽自動車の戦国時代」。

スズキ ワゴンRは1993年に初代モデルを投入して以来、長年にわたって軽自動車の販売ナンバーワンを保ってきた。しかし最近はほかの車種の売れ行きも好調だ。2012年の1~12月の累計台数は、ホンダ N BOXとダイハツ ミラ(大半はミライース)に抜かれて3位であった。

スズキ ワゴンR 20周年記念車
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2012年度(12年4月~13年3月)は、ミラの台数は上まわったが、N BOXは追い抜けず2位に甘んじた。ワゴンRの売れ行き自体はさほど下降していないが、新型車が人気を高め、相対的に販売ランキングの順位を下げている。

この厳しい状況を打開することも踏まえて、ワゴンRはメカニズムのテコ入れを中心にマイナーチェンジを行った。詳細は2013年7月17日に掲載した『スズキ ワゴンR・MRワゴンWit 新型車解説(2013年一部改良)-燃費30km/Lへ向上-』で述べているが、安全性と燃費性能の向上が柱になっている。

先ごろ報道試乗会が開催され、ワゴンRの特別仕様車「20周年記念車」を試乗した。ワゴンRの新しい機能をチェックしてみたい。

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価格を安く抑え、レーダーブレーキサポートを装着

スズキ ワゴンR 20周年記念車
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安全性の向上についてはレーダーブレーキサポートの採用がある。フロントウインドーの内側に赤外線レーザーセンサーを装着。常に前方を監視していて、時速30km以下で走行中、衝突の危険を検知すると自動的にブレーキを作動させる。先行車両との相対速度差が時速15km以下の時には、衝突を回避することも可能だ。

誤発進の抑制機能も備わる。停車または時速10km以下で徐行中、前方約4m以内に壁や生け垣があるのにアクセルペダルを強く踏み込むと、エンジンの出力を最大で約5秒間抑える。アクセルとブレーキペダルの踏み間違いに基づく事故を防止する機能だ。

この安全装備を実際に体験してみた。まずは衝突回避の支援機能。時速15km前後で障害物に向かって進み、ブレーキ操作は行わない。すると障害物の手前で急制動。衝突を回避できた。

スズキ ワゴンR 20周年記念車

誤発進の抑制機能も試す。障害物に向けて停車し、ATレバーをDレンジに入れてアクセルを踏み込むと、エンジン回転が高まらない。警告音とメーター内部の表示によって、誤ったアクセル操作を行っていることを知らせてくれる。

衝突回避の支援機能で注意すべきは、時速30km以上ではキャンセルされて作動しないこと。赤外線レーザーはいわば近視で、車両から6m以内しか検知できないからだ。時速30km以上で走行中にセンサーが障害物に気付いても、6mの距離しか残されていないから、緊急ブレーキを作動させても間に合わない。

スズキ ワゴンR 20周年記念車
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軽自動車は市街地で使われる機会が多く、低速域に限定しても、衝突回避の支援機能を装着することには十分なメリットがある。加えて赤外線レーザー方式は価格が安い。ワゴンRの場合は、ESP(横滑り防止装置)、時速55km以上で急ブレーキを踏んだ時に、ハザードランプを高速点滅させるエマージェンシーストップシグナルとセットで4万2000円だ。となればレーダーブレーキサポートは1万7000円くらいになる。

軽自動車は価格が1万円高まるだけで売れ行きが下がる商品だから、装着比率を高めるには低価格が必須条件。低速域に限定しても、価格を安く抑える方が合理的という判断も成り立つ。いくら優れた安全装備を開発しても、たくさん売れて事故防止に貢献しないと意味がないからだ。

そこは理解できるが、赤外線レーザー方式は過渡的な安全装備だろう。今ではスバル車が装着するカメラ方式のアイサイトが10.5万円、三菱 アウトランダーはミリ波レーダーと車線逸脱警報のためのカメラを併用して9.5万円、トヨタ クラウンは同じくミリ波レーダーにクリアランス/バックソナーを加えて10.5万円としている。軽自動車も高い速度域まで検知できる衝突回避の支援機能を、なるべく安い価格で用意して欲しい。完全な衝突回避が無理でも、衝突時の速度を低下できれば、事故被害の軽減効果は大きい。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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