スポーツカーの販売不振は自動車メーカーの「諦め」が原因!?(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
新緑の季節に“スポーツカー”は定番だが・・・
5月に入って過ごしやすくなると、ドライブに出かけたい気分になる。そこでドライバーが運転を楽しめる「スポーツカー」を連想するのは、今も昔も定番だろう。
スポーツカーだからといって、サーキットでタイムを競うことだけが楽しさではない。スポーツカーは移動の手段というより運転すること“そのもの”の楽しさを目的に開発されているから、車両がドライバーの操作に忠実に反応する。
自分の手足のように動くので「楽しく」「面白い」。トラックにも運転の楽しさはあるが、スポーツカーではそれが分かりやすい。
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だが最近は、こういったスポーツカーの楽しさを求めるユーザーが減ったといわれる。自動車メーカーの商品企画担当者も「若い人達のクルマ離れもあり、今はスポーツカーを売りにくくなった」と言う。
販売好調なマツダ 新型ロードスター
例えば「マツダ ロードスター」は初代モデルが1989年に発売され、先ごろ生産累計台数が100万台に達した。ただし、近年は売れ行きが下がっている。
登場直後の1990年には、世界で年間約7万6000台、日本国内でも年間約2万5000台を売ったが、2011年以降は世界における年間生産台数が1万2000~1万7000台に減った。日本国内に至っては1000台を割り込んでいた。近年の国内販売台数は、1990年と比べて僅か4%だ。
ところが、2015年5月に発売された4代目の新型ロードスターは、発売直後とはいえ売れ行きが比較的好調だ。
月販目標は500台で、登録台数も1ヶ月当たり600~1000台で推移している。単純計算で年間7200~1万2000台という数値は、ほとんど宣伝していないことを考えれば満足できる売れ行きだろう。
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