ロールス史上最強のクーペ「ロールスロイス レイス」日本初披露
- 筆者:
この春世界デビューしたばかりのニューモデルが早くも日本へ”来日”
今春のスイス・ジュネーブショーで世界初公開されたばかりの、ロールスロイスの高級クーペ「 WRAITH(レイス)」が、早くも”来日”した。
英国・ロールスロイス モーター カーズいわく「ロールス史上最もパワフルかつダイナミックなモデル」だとするレイス。そんな特別なモデルを、いち早く日本へと持ち込んだ理由とは。
往年のグランドツアラーを想わせるファストバックスタイル
ロールスロイス レイスは、V12気筒エンジンを積む2ドアの高級クーペだ。ボディデザインは、かつて1950年~1960年代頃のグランドツアラーに多く見られたファストバックスタイルが与えられた。最上級モデル「ファントム」の弟分「ゴースト」をベースに造られるが、全長5269mm、全幅1947mm、全高1507mmと、存在感は圧倒的だ。
力強いフォルムにあわせ、フロントのパンテオングリルの形状もファントムなどとは少し意匠が違う。伝統的なスタイルを継承しつつも、例の縦型の桟の位置が奥まっていて、優雅でありながらスポーティな匂いを漂わせている。また、先端に佇む妖精「スピリット・オブ・エクスタシー」も他モデルよりも先方に位置し、スピード感を表現する。
コーチドアで迎えられるこだわりの豪華インテリア
ドアは、ファントム クーペなどと同様に、ドアヒンジを後ろにした「コーチドア」を採用する。通常のドアとは反対に開閉するこのドアは、例えばロングドレスの女性が美しい振る舞いで乗り降り出来るよう配慮されたものだ。そして室内からは自動で閉じることが出来る!
もちろんインテリアも豪華絢爛。上級モデル「ファントム」シリーズにも劣らないディテールへの繊細なこだわりが冴える。車内全体を取り囲むボリュームたっぷりのウッドパネルは、カナデル・パネリングと呼ばれる特殊加工が施された。また木目を55度の角度にあわせ配置し、左右にシンメトリーな統一感を与えた。さらにセンターコンソールにはシェブロン(山形模様)のウッドを配すこだわりよう。シートの革もファントムと同等のナチュラルグレインレザーが与えられている。
さらに、今回持ち込まれたレイスの天井には、これまでファントムシリーズにのみ設定されていたビスポークオプションの「スターライト・ヘッドライナー」が装着されていた。数千本の光ファイバーを、グッドウッドの職人がハンドメイドで丹念に編みこんだものだ。
圧倒的な性能、快適な乗り心地
ただ優雅なだけではない。レイスは「ロールス史上最もパワフルかつダイナミックなモデル」とうたうだけあって、動力性能も他を圧倒する。
6.6リッター V12気筒ツインターボエンジンの最高出力は632ps、最大トルク465kWの圧倒的な性能を誇る。0-100km/hの加速はわずか4.6秒だ。組み合わされる8速ATには、GPSを用いて進路にあわせたシフト操作を先行するSAT(サテライト・エイディット・トランスミッション)も搭載される。デュアル・インテグレーテッド・シャシーマネジメントシステムにより、優れた操縦安定性と快適な乗り心地がハイレベルに両立しているという。
日本はアジア第2位のマーケット
日本は、ロールスロイスのアジア部門において第2位のマーケットだ。ファントムの下に位置するゴーストの販売が後押ししたようで、2012年は過去にない販売台数を記録したという。東京、横浜に続き、近々大阪にもショールームをオープンする予定となっている。
ロールスロイス レイスの価格は3195万円[消費税込み]。ただしロールスロイス社では、多くのユーザーがビスポークオプション(オーダーメイドによるカスタマイズ)を希望するだろうとみている。事実、2012年に出荷されたファントムシリーズでは、実に95%のユーザーが、そしてゴーストでも4台に3台がビスポークを選んでいるというからスゴイ。
世界デビュー後わずか1ヶ月で日本へ持ち込まれたということは、販売好調な日本市場で早々に受注を獲得し、早期の生産台数を確保したいロールス社側の目論見も浮かび上がってくる。実際この展示車両は、今後アジアを巡って受注のためのプロモーション活動を行っていくようだ。レイスのデリバリーは、2013年第4四半期を予定する。
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