パナメーラ 4E ハイブリッド 試乗レポート ~改めて考えてみる「ポルシェの4ドア論」~(1/2)

パナメーラ 4E ハイブリッド 試乗レポート ~改めて考えてみる「ポルシェの4ドア論」~
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改めて考えてみる「ポルシェの4ドア論」

ポルシェ パナメーラ・4 E-ハイブリッド/911カレラGTS 海外試乗レポート/大谷達也

2代目に進化したポルシェの高級4ドアサルーン、新型「パナメーラ」に南アフリカで試乗した。今回のニューモデル、注目はプラグインハイブリッド「パナメーラ 4E ハイブリッド」だ。世界をけん引するスポーツカーメーカーならではの、電動化に対する取り組みとは。レポーターはモータージャーナリストの大谷達也さん。同時試乗した”王道”911カレラシリーズの頂点「911カレラGTS」の印象とともに、改めて考えるポルシェの4ドア論。

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ポルシェは2ドアよりたくさんの4ドアモデルを造ってるって、知ってた!?

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「ポルシェは世界最大のスポーツカーメーカーって知ってた?」

まるで“ぐっさん”が登場する不動産会社のCMみたいですが、この質問にはきっと多くの皆さんが「知ってた!」と答えるでしょうね。

では次の問題。

「いまやポルシェは2ドアモデルよりたくさんの4ドアモデルを造っているって知ってた?」

どうですか? どこからともなく「えー、うそー!」という声が聞こえてきそうですが、これは紛れもない本当の話。

セールス好調なSUVのマカンやカイエンのほか、スポーツサルーンのパナメーラをラインナップするポルシェは、いまでは911、718ボクスター、718ケイマンといった2ドア モデルよりも多くの4ドア モデルを生産しているそう。

そんなワケだから、ポルシェが販売されている多くの国々では「2ドアより4ドアのほうが人気」なのだけれど、日本は、911に代表される2ドアモデルのほうがたくさん売れている例外的な国のひとつだと以前聞いたことがあります。もっとも、マカンの大ヒットでこの状況も変わっちゃった恐れはありますが・・・。

4ドアモデルであっても「さすがポルシェ!」な味わいがある

ポルシェ パナメーラ・4 E-ハイブリッド/911カレラGTS 海外試乗レポート/大谷達也

前置きが長くなりましたが、私がここで力を込めて申し上げたいことがあります。

確かにポルシェの4ドアモデルは世界中でよく売れているけれど、それは世のSUVブームに乗っかった安易な販売戦略によるものではなく、たとえ4ドアモデルでも「ああ、さすがポルシェ!」と言わせるような完成度の高さがあるから引っ張りだこになっているのであります。

それは4ドアサルーンのパナメーラにしても同じこと。ただスタイリングがなんとなく911に似ているから売れているワケではなく、乗ればしっかりと「やっぱりポルシェだなあ」と感じる味わいがある。だから人気なのです。

新プラットフォーム”MSB”を採用し生まれ変わった2代目パナメーラ

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これは昨年2016年、二代目に生まれ変わった新型パナメーラについても同じことがいえます。

何を隠そうポルシェはフォルクスワーゲン(VW)グループの一員。したがってそのプラットフォームをどうするかもVWグループ全体の戦略に組み込まれているのですが、同じVWグループのアウディA8がどちらかといえば前輪駆動主体のMLBエボというプラットフォームを使うのに対し、ポルシェはMLBエボよりもはるかにエンジンを後方に積んでスポーティなハンドリングを可能にするMSBというプラットフォームを独自に開発。これを新型パナメーラに採用したのです。

だからその走りは軽快そのもの。

先ごろ南アフリカで行われた国際試乗会ではパナメーラ ターボとPHV(プラグインハイブリッド)モデルのパナメーラ 4E ハイブリッドをドライブするチャンスがありましたが、まるで先代よりもボディが軽くなったんじゃないかと錯覚するくらい、ケープタウン周辺のハイウェイやワインディングロードを気持ちよく走ることができました。

パナメーラ 4Eハイブリッドはスポーツカーメーカーが挑む電動化技術の結晶

ポルシェ パナメーラ・4 E-ハイブリッド/911カレラGTS 海外試乗レポート/大谷達也

なかでも注目株はパナメーラ 4E ハイブリッド。これまた不動産会社のCM風にいえば「ポルシェってPHVを3モデル揃えた世界最初の自動車メーカーだって知ってた?」となるのですが、ご存じだったでしょうか?

スポーツカーメーカーといえば、大パワーの大排気量エンジンでCO2をバンバンまき散らしちゃっている印象があるかもしれませんが、そのなかでもポルシェは環境問題に真剣に取り組んでいて、ハイブリッドやPHVの開発にいち早く着手。というわけで、先ごろ登場した2代目パナメーラにも早速PHVを投入したのです。ちなみにポルシェはミッションEという名の純電気自動車を数年以内に発売する計画を発表しているので、こちらも注目したいですね。

デュアルクラッチトランスミッションの始まりはポルシェから

ポルシェ パナメーラ・4 E-ハイブリッド/911カレラGTS 海外試乗レポート/大谷達也

新型パナメーラでもうひとつ注目したいポイントがPDK(Porsche Doppelkupplung:ポルシェ ドッペルクップリング)と呼ばれる8速デュアルクラッチ式ギアボックス。

いまやスーパースポーツカーでは当たり前のギアボックスですが、もとはといえば1980年代にポルシェがレーシングカーのために生み出したメカニズムなのです。それだけに変速の素早さはピカ一。しかもポルシェのPDKはギアチェンジに伴うショックがきわめて小さいことでも有名で、新しいパナメーラもスムーズでスピーディなシフトが自慢。電気モーターの助けを借りた加速感は惚れ惚れするほど気持ちいいのです。

モーター出力が向上し時速140キロまでEV走行も可能に

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そうそう、パナメーラ 4E ハイブリッドの新しいPHV(プラグインハイブリッド)は、電気モーターやバッテリーを大幅に増強。モーターの最高出力を95psから136psに引き上げてシステム最高出力462psを達成した結果、0-100km/h加速は従来モデルをおよそ1秒短縮する4.6秒をマークするのです。これはもう立派にスポーツカー並みの速さ。

しかも、パワーアップしたモーターのおかげで、電気の力だけでも140km/hの最高速を実現しています(エンジンをフル活用したときの最高速度は278km/h)。

つまり、日本の公道の速度域だったら、全て電気モーターだけで走れちゃうほど力強いのです。

さらにバッテリーに充電した電力だけで走るEV航続距離も50kmの大台に乗せ、前の晩のうちに充電しておけば翌日はガソリンを一切使わない、なんて走り方もできるようになりました。これほど実用性の高いPHVは、輸入プレミアムモデルのなかでは新型パナメーラ 4E ハイブリッドが初めてといっていいでしょう。

試乗車は回生ブレーキの完成度に難ありだったが

ポルシェ パナメーラ・4 E-ハイブリッド/911カレラGTS 海外試乗レポート/大谷達也

もっとも、未完成な部分もありました。

一般的なハイブリッド車やPHVには、ブレーキをかけたときに発電機を回して電力を回収する回生ブレーキと呼ばれる仕組みが取り付けられていますが、その制御がまだ完全に仕上がっていないらしく、ブレーキペダルを踏むとペダルが足を「トントントントン」と軽く押し返すような仕草を見せることがあったのです。

この点のポルシェの技術者に指摘したところ、「その現象はわれわれも把握している。ただし、ソフトの改良で修正可能なので、量産化までには問題なくなっているはず」との回答を得ました。

>>[画像132枚]ポルシェ パナメーラ 4E ハイブリッドをフォトギャラリーでもじっくりチェック

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大谷 達也
筆者大谷 達也

1961年、神奈川県生まれ。エンジニア職を経験後、1990年二玄社に就職し、CG編集部に配属となる。以来、20年間にわたり同誌の新車情報、モータースポーツに関する記事を企画・編集・執筆。2010年3月フリーランスとなる。現在もCGの編集・執筆業務に携わる傍ら、ENGINE、GENROQ、東京中日スポーツ新聞、レーシングオンなどにも寄稿。日本モータースポーツ記者会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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