インフィニティの新しい高級セダン「Q50」が栃木工場で生産開始~次期「日産 スカイライン」新型車速報~
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日本にはない日産車「INFINITI Q50」
日産は、同社の高級車ブランド「INFINITI(インフィニティ)」の主力モデル「G37セダン」(日本名「日産 スカイライン」)をフルモデルチェンジし、新たに「INFINITI Q50 SPORT SEDAN」として、今年2013年の夏より北米などを皮切りに世界での発売を開始する。5月14日火曜日には、FRプラットフォームモデルの主力生産拠点「日産自動車 栃木工場」(栃木県上三川町)で、生産開始を記念したオフライン式が行われた。
式典にはカルロス・ゴーンCEOなどが来場するなど、ニューモデルに対する日産の力の入れようが伺える。日本では売られない日産車「インフィニティ Q50」にそこまで注力する理由とは、一体どこにあるのだろうか。
引き続き「スカイライン」ブランドが残ることをゴーン氏が認める
日本では売られないクルマだと記したが、先代G37セダンがほぼ「日産 スカイライン」そのものという事実からも分かるとおり、これは明らかに次期 新型スカイラインだ。ゴーン氏も記者らの問いに対し、現時点では言えないとしながらも「日産のスカイラインブランドはひとまず継続する」とだけ明言し、暗に認めた。また一部新聞報道などでウワサされる、インフィニティブランドの日本展開開始時期については、今のところはまだ検討の段階で何も決定を下していない状態だと否定した。
主に海外市場向けモデルながら、その多くが日本の栃木工場で生産されるインフィニティ車。強烈な円高により、実はここ数年ほとんど利益を出すことが出来なかった。それが昨今のアベノミクス効果等による1ドル100円台突入により「中立的な水準」(ゴーン社長)となり、ようやく競争の土台に立てたと話す。そこに、栃木工場従業員がもともと持っている技や参画意識、高いモチベーション、知識などが加わることで、日産内のみならず世界No.1の品質を持ったクルマを生み出すことが出来るとし、インフィニティにはこれからも大きな潜在力(伸びしろ)があるとゴーン氏は語った。
世界No.1の品質を持ったクルマを生み出す日産 栃木工場
インフィニティでは世界中から人材を強化し、マーケティングの強化やプレミアム市場におけるブランド力の大幅な向上を目指している。インフィニティ担当役員のヨハン・ダ・ネイシン氏は、しかしそれは単なる広報や宣伝の手法だけではなく、栃木工場が生み出す高品質な製品自体の魅力を通じて伝えたいとし、その集大成が新型インフィニティ Q50だと話す。
そんなインフィニティブランドの中核をなす、日産 栃木工場。その高い生産技術力や匠のワザについては新型「日産 シーマ」発表時にもお伝えしたが、今回のニューモデルQ50でも同様に新たな取り組みが始まっている。
日産ではインフィニティ Q50シリーズだけで、2013年度の生産10万台を目指す。同社の中期経営計画NP88では、2016年度までにQ50を含めた全インフィニティ車を年50万台規模まで拡大する目標を立てている。今後は、現在ラインナップがないLクラスのセダンやプレミアムコンパクトクラスなど、プレミアム市場をほぼ網羅出来るラインナップの拡充も図っていく。これらニューモデルの導入も楽しみなところだが、そうした拡充には、ゴーン氏が言うところの「世界No.1の品質を持ったクルマ」づくりが欠かせない。
NP88では、大きく6つの項目に分け計画達成に向けた目標を掲げているが、そのひとつが「クオリティの向上」だ。プレミアムブランド「インフィニティ」においては、JDパワー社のIQS(Initial Quality Study)トップ3にランクインすることを目指す。2011年の調査では、レクサスの1位を筆頭に、ジャガー、ポルシェ、キャデラック、ホンダに遅れること6位に甘んじている現状がある。これでも前年の8位からは上昇しているのだが、しかしインフィニティでは更なる向上を目指し、インフィニティ車工場での品質向上要件「I-PES」を策定した。Infiniti Plant Evaluation Systemの略で、品質や技術スキルなどを項目分けしスコアを付けるというもの。製造過程のみならず、輸送や販売店での過程、ユーザーの手に渡るまでの100項目にも及ぶチェックを重ねる厳しいものだ。
その結果、インフィニティ車の基幹工場である栃木では、5点満点中4.5のスコアを達成。他のインフィニティ工場のお手本となるマザー工場として、更なるスキルアップを目指している。その取り組みの一部については、画像をクリックしてチェックしてみて欲しい。
F1「レッドブルレーシング」のベッテル選手も開発に参加
今回まず生産が始まったのは、主に北米向けのQ50セダン。V6 3.7リッターモデルと、V6 3.5リッター+1モーター2クラッチ方式「ダイレクトレスポンスハイブリッドシステム」モデルの2タイプが用意され、それぞれ7速ATと組み合わされる。さらに今春のスイス・ジュネーブショーでお披露目された欧州仕様には、ダイムラーAGとの協業によりメルセデス・ベンツ製の直4 2.2リッター ディーゼルターボエンジンも搭載されたり、上海ショーでは中国専用としてロングホイールベース仕様の追加を発表するなど、それぞれの国や地域の実情に合わせたラインナップを用意する。日本仕様でも2.5リッター版の設定などが期待される。
新型Q50は、かつての高級車「Q45」の流れをくむインフィニティのアイデンティティを再現し、従来のGから「Q」をアタマにつけるようになった。今後セダン・クーペ・コンバーチブルモデルには「Q」を、クロスオーバーSUV」には「QX」のネーミングが与えられる予定で、Q50は新生インフィニティの第一弾となった。
開発には、協力関係にあるF1チーム「Infiniti Red Bull Raching」のセバスチャン・ベッテル選手も参画した。ギア比や操舵力等を可変出来る「インフィニティ ダイレクト アダプティブ ステアリング」やデュアルタッチスクリーンの「インフィニティ InTouch」など新技術も盛り込まれ、北米では36,450米ドルからの発売となる。
[レポート:オートックワン編集部/Photo:オートックワン編集部・INFINITI]
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