トヨタが18年ぶりにWRCへ復帰! 豊田社長「復帰ではなく初めて参戦するつもりで」
トヨタは1月30日、FIA世界ラリー選手権(WRC)に2017年より参戦することを正式に発表した。2015年は、「ヤリス(ヴィッツ)」をベースとしたWRC参戦車をトヨタモータースポーツ(TMG)で開発し、実車テストを本格化させていく。
トヨタのWRC参戦は1999年の撤退以来18年ぶりとなり、待ちに待ったこの瞬間を、トヨタ自動車代表取締役社長の豊田章男氏は「18年恋焦がれていた彼女に会えた感じ」とその喜びを笑顔で語った。
章男社長は、WRC観戦のため滞在したフィンランドで「トヨタはいつラリーに戻るんだ」という声を沢山もらったことを語り、それを受け決意を発表。
「かつてトヨタがラリーに参戦していたことが、まだ多くの方の記憶に残っていることは驚きと感謝の気持ちが溢れました。そして、この記憶が消えないうちに、ここに戻ってこなくてはいけない、そう強く感じるようになりました。もっと良いクルマを作る為に、そして多くの方々に笑顔になっていただくため、その思いで私どもはWRCの道に再び戻らさせていただきたいと思います。」と力強く語った。
続けて「2017年からの参戦を計画しており、1999年以来実に18年ぶりとなります。戻らさせていただくと表現したのは、復帰ではなく初めての参戦というのが現実かと思います。一からチームとクルマを鍛え参戦に向け一歩一歩準備を整えていきます」とラリーへの復帰は、あくまでも一から創り上げていくという初心の気持ちを語っていた。
また、ビヨン・ワルデガルド氏が昨年亡くなったことについて触れ、「1980年代にトヨタのラリーを支えたビヨン・ワルデガルド氏が昨年亡くなられました。“日本にもラリーの素晴らしい文化をもっと伝えていきたい”と言うトヨタの活動を支えてくださりました。一昨年の新城ラリー、当時まだ1年しか経験がなかった駆け出しの私モリゾーのことも“いちラリースト”としていろんな話をしてくださいました。ここに謹んで哀悼の意を表したいと思います。」と、ラリー参戦を発表するまでの道のりで、トヨタや章男社長自身にとっても存在の大きかったビヨン・ワルデガルド氏に向け感謝の気持ちを述べていた。
参戦車両詳細
参戦車両は、ヤリス(日本名 : ヴィッツ)をベースとしたヤリスWRCで、TMGが車両及びエンジンの開発テストを担当する。
トヨタのWRC参戦は今回が2期目となり、第1期は1973年から1999年(休止年 : 1996-1997年)で、この間に、43回のWRCラリー優勝と3回の年間チャンピオンを獲得している。
【概要】
参戦車両:ヤリス WRC(全長 3910mm×全幅 1820mm)
エンジン:1.6リッター直噴ターボ(グローバルレースエンジン規定に準ずる)
タイヤ:ミシュラン
2015年テストドライバー:
ステファン・サラザン(Stephane Sarrazin)
セバスチャン・リンドホルム(Sebastian Lindholm)
エリック・カミリ(Eric Camilli)
尚、2017年参戦ドライバーは未定としている。
この記事にコメントする