三菱、新車戦略の第一弾は4年ぶりのニューモデル「エクリプスクロス」から
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:オートックワン 編集部
ようやく出せたエクリプスクロスに賭ける特別な思い
2017年3月のスイス・ジュネーブモーターショーでの発表からちょうど1年。2018年3月1日、三菱の新型SUVクーペ「エクリプスクロス」が”ようやく”日本での発売を開始した。2014年2月に登場のハイト軽ワゴン「eKスペース」から4年が過ぎ、三菱にとって本当に久しぶりのニューモデルとなった。
2015年3月のジュネーブショーで発表されたコンセプトカー「MITSUBISHI Concept XR-PHEV II」は、いわば予告編ともいうべきモデルで、エクリプスクロスは既に開発の真っただ中だったという。しかしその間、三菱自動車工業は大きく揺れ動いた。軽自動車の燃費試験の不正問題、そして日産との戦略的アライアンス・・・これはエクリプスクロスの発売時期にも少なからず影響を与えたようで、そんな意味も含め”ようやく”のデビューだったと言えるだろう。
東京・田町の三菱自動車工業本社ショールームで行われた発表会で、同社の益子 修 取締役CEOは「新中期経営計画”DRIVE FOR GROWTH”において、最優先だったのは信頼回復だった」と語る。もちろん販売台数など事業の回復も目指し、次期モデルの新規開発・先行投資も行わなければならない厳しい状況下で、発売にこぎつけたエクリプスクロスには格別な思いがあるようだ。
>>[三菱 新型エクリプスクロスをさらにチェック(画像43枚)]
欧州や北米、オーストラリア、アセアン、台湾などでは先行発売しており、およそ5万3千台の受注を獲得。日本においても発売を前にして約5千台の予約を受けたという。エクリプスクロスの国内販売目標は月間1千台。「発売前に5か月分の注文を頂き好調なスタートを切ることが出来た」と、益子CEOの表情も和らぐ順調な滑り出しとなった。
三菱ではこの後、アウトランダーPHEVのマイナーチェンジモデル(2019年モデル)を2018年夏頃には国内デビューさせ、さらには根強い人気を保つ長寿モデルのクロスオーバーミニバン「デリカ D:5」を年内にフルモデルチェンジさせると明言した。折しも2018年は”デリカ”ブランド誕生から50周年を迎える記念すべきタイミングだけに、こちらも大いに注目される。
エクリプスクロス、ディーゼルやPHEVモデルの追加時期は未定
さて、エクリプスクロスについてはこれまでも数多く記事でご紹介してきたが、ここで改めて概要をお伝えすると、ボディサイズは全長4,405mm、全幅1,805mm、全高1,685mm、ホイールベースは2,670mm。コンパクトSUVのカテゴリに属するが、クーペ風のルックスで独自のスポーティなキャラクターを有するのが特長だ。駆動方式はFFと4WDの2タイプ。4WDには三菱が誇る車両運動統合制御システム「S-AWC」(SUPER ALL WHEEL CONTROL)を搭載し、高い安定性と意のままの走りを両立させる。
エクリプスクロスに搭載されるのは、新開発の1.5リッター直列4気筒DOHCガソリン直噴式ターボエンジン1機種のみ。最高出力150ps(110kW/5,500rpm)、最大トルク24.5kgf-m(240N・m)/2,000~3,500rpmで、小排気量ながら同社の2.4リッターエンジン車を上回る性能を誇る。
しかし三菱と言えば、アウトランダーPHEVやi-MiEV(アイミーブ)など電動化技術で先行するメーカーとしてのイメージも強い。報道陣から電動化モデルの投入はないのかとの問いに対し益子CEOは「PHEVモデルも早期に投入したいが、これから開発に取り組む」とし、まずは欧州からエクリプスクロスのディーゼルモデルを2018年中に投入し、追って国内導入も検討していきたいと話すに留まった。
初の試み、Webサービス「NIGHT SHOW ROOM」は大きな反響を得る
発売前から、三菱では積極的にエクリプスクロスのプロモーションを展開。東京モーターショー2017を始めとして全国での車両展示を実施したほか、新たな試みとして、ネット上でのライブ配信によるショールーム体験コンテンツ、Webサービス「NIGHT SHOWROOM」(ナイトショールーム)を2018年1月9日から2月4日の間に展開した。1か月に渡りメインナビゲーターを務めたラジオパーソナリティの藤本えみりさんと、NIGHT SHOWROOMにも数多く参加したパリダカ2連覇のラリードライバーで三菱 広報部 チーフエキスパートの増岡 浩さんがステージに登場。エクリプスクロスの魅力について語った。
NIGHT SHOWROOMではユーザーからの質問を直接受け付ける機能があったが、中でも反響が多かったのが走りに関するものだった。増岡さんは運転席からの見切りの良さ、そしてS-AWCのコントロール性の高さを評価し、快適に走ることが出来るクルマだと語る。
2月に北海道で行われた雪上試乗会の様子も紹介され、雪道初心者が速度を抑え慎重に走る場合と、ラリードライバーのようにアクセル全開でコーナーを駆け抜ける場合、いずれの状況下でも安心して対応できるという。
開発者たちが走りにもこだわり抜いて仕上げたエクリプスクロスを「三菱らしい楽しいクルマ」と評する増岡さん。実際、既に本人も予約を入れて納車待ちの状態だと笑顔で話す。乗ればその魅力は伝わるとし、エクリプスクロスの試乗体験を強く薦めていた。
[Text:トクダ トオル(オートックワン編集部)/Photo:オートックワン編集部・三菱自動車工業]
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