トヨタが新ハイブリッドシステムを開発!プリウス式の弱点を克服し、海外でもHVの普及を図る
- 筆者: 国沢 光宏
「マルチステージハイブリッドシステム」とは?
トヨタが久しぶりとなる新しいハイブリッドシステムを開発し、間もなく発表されるレクサスLC500hに採用している。興味深いことに新しいHVシステムの「マルチステージハイブリッドシステム」、どこのメディアも全く理解していないように思う。そもそもレクサスのリリース自体を読んだってサッパリ解らず。自動車メディア業界地盤の沈下を止めるべく解説したい。
まずトヨタ式ハイブリッド最大の弱点と言えば、新型プリウスの試乗レポートでも書いた通り、高い価格の割に最高速が低いことである。日本なら十分かもしれないけれど、欧州では全く足りず。また、高速道路に入るときの加速が重視されるアメリカ市場の場合、加速も厳しい。なぜか?プリウスのハイブリッドはギアが1段しかないからだ。
発進から最高速まで、いわゆる変速ギア無し。電気自動車と同じくモーターで直接駆動しているのだった。したがって最高速を上げようとすれば、全般的にギアレシオを高くしなければならず、発進加速や低速域での加速が悪くなってしまう。一方、アメリカのニーズである加速を重視したら、低いギアレシオにしなければならず、燃費落ちる。
そこでトヨタが考えたのは、2段リダクションギアという“副変速機”を使い、HiとLoの切り替えを行うという対応策だ。低速側はLoレンジにしておき加速を重視。高速域になるとHiレンジとし、最高速を稼ぐ(現在、LS600hとGS450hに採用されている)。ただ2段リダクションギアは、文字通り2段。自転車で言えば2段変速に過ぎない。
もっと加速を向上させ、最高速や高速燃費を伸ばそうとすれば、段数を増やすのが一番手っ取り早い。ここまで読めば、LC500hが採用した新しい「マルチステージハイブリッドシステム」の90%を理解出来たようなもの。ご推察の通り、従来のトヨタ式ハイブリッドシステム(THSII)全体を「エンジン」と位置づけ、そいつに4段変速を組み合わせたと考えればOK。
詳細な制御法は現在さらに取材中ながら、具体的な効能としては、低速域でフル加速している時のエンジン回転数を2段リダクションギアより高く出来る(当然の如く電池容量が減った時だって加速良くなる)。それでいて高速巡航時のエンジン回転数を下げられることにより燃費も騒音レベルも下がるのだから素晴らしい。
参考までに書いておくと、CVTを使っているという“怪説”もあるけれど、明らかに間違い。いわゆる金属ベルトのCVTなど使っておらず。レクサスの言う『ECVT』は海外向けの表現で、電気的な無段変速(プラネタリギア使う動力分割機構)を示す。あくまでトヨタ方式のハイブリッド+4段変速機を組み合わせたものだ。
[Text:国沢光宏]
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