ホンダ ヴェゼル(VEZEL)・ヴェゼルハイブリッド 新型車解説/渡辺陽一郎(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:本田技研工業/茂呂幸正
コンパクトカー「フィット」ベースの“ミドルサイズ”SUV
ホンダから「フィットのSUV版が登場するらしい」という噂は、以前からあった。
それが2013年12月19日に発表された「ホンダ ヴェゼル(VEZEL)」だ。プラットフォームは同社の人気コンパクトカー「フィット」と共通で、燃料タンクもフロントシートの下へ搭載されている。
しかし、そのエクステリアにフィットの面影はない。そもそもボディサイズがかなり異なる。全長は4,295mmと、フィットより340mmも長い。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も80mm伸ばされて2,610mmに達する。さらに全幅は1,770mmだから、75mmもワイド化されて3ナンバー車となった。以上から、ヴェゼルは“コンパクトサイズ”ではなく“ミドルサイズ”のSUVなのである。
目指したのは、「ダウンサイジング時代のスペシャルティカー」
ヴェゼルのエクステリアデザインは、写真からもお分かりの通りルーフを後方に下降させて引き締まった躍動感を持たせている。フィットが空間効率を重視したデザインなのに対し、ヴェゼルは外観の見栄えも重視している。
さらに、フィットはホイールを4本のボルトで留めているがヴェゼルは5本だ。フィットとプラットフォームを共通化したといえど、それは一部に限られると見た方が良いだろう。
ヴェゼルが目指したのは、「ダウンサイジング時代のスペシャルティカー」。SUVの力強さ、クーペのパーソナル性、ミニバンの使いやすさを高次元でバランスさせることを考えて生まれたクロスオーバーだ。
使いやすさを高めるには、ホンダお得意の燃料タンクをフロントシートの下に搭載する「センタータンクレイアウト」による空間効率が大きなメリットとなる。荷室はかなり広い。
内装は、インパネが水平基調のデザインへと仕上げられている。カーナビに加えて、エアコンも新型フィットのようなタッチパネル方式を採用。2,610mmのホイールベースを生かして、リヤシートの足元空間も広く確保されている。
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