フォード エクスプローラー 試乗レポート

フォード エクスプローラー 試乗レポート
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大ベストセラーカー・フォードのSUV

90年に登場したフォードのSUV(スポーツユーティリティビークル)、エクスプローラーは、デビュー10年で500万台を販売する大ベストセラーカーだ。もっとも、初代がデビューした頃は、まだSUVという言葉はなく、クロスカントリー4WDとかオフロード4WDと呼ばれていた。それを、日常の生活の足として使えるようにしたのが、エクスプローラーだった。

現行モデルは02年にフルチェンジしたモデルがベースになっている。06年モデルとして大幅なマイナーチェンジを受けて、登場したのが今回紹介するクルマになる。

変わったのはエクステリアだけではなく、エンジン、ミッションも新機種が投入された。

バリエーションはV6、4Lエンジン+5速ATのXLTと、V8、4.6L+6速ATという組み合わせのエディバウアーの2車種が用意された。ビッグアメリカンSUVの魅力いっぱいのクルマだ。

日本の道でももて余すことはない大きさ

エクスプローラーのボディサイズは全長約5m、全幅は約1.9m、全高も1.8m以上ある。フォードのランクル100ぐらいの大きさなので、意外に日本の道でももて余すことはない。

新型のスタイリングはフロントマスクが変わった。ヘッドライトの下部が一部バンパーにくいこんでいるのが特徴となっている。

フロントグリルの形状も、XLTとエディバウアーでは異なる。サイドビューも、オーバーフェンダーとサイドステップには一体感をもたせた。ルーフレールは高さも十分。力強いイメージだ。

グレードによる違いはいくつかある。そのひとつはサイドステップとオーバーフェンダーの色の違い。エディバウアーはゴールド、XLTはシルバーにペイントされている。また、ホイールサイズもエディバウアーは18インチ、XLTは17インチサイズのものを装着している。エディバウアーのほうがグレードが上、という設定になる。

やや軽めになるコーナー

エディバウアーのエンジンはV8の4.6L、ミッションは最新の6速ATになる。このエンジンは、加速テストのようなときは一気に6100回転まで上昇し、力強い走りを体感させてくれる。エンジンは3000回転からうなり音を発するものの、1500回転からのトルクの盛り上がりを楽しんでいると、あまり気にならない。ちなみに0→100km/h加速は9秒台とまあまあ速め。100km/h巡航は6速1900回転という低さなので、高速巡航の燃費は 5~6km/Lはいく。

ハンドリングは、直進時は重めの操舵力でどっしりしているが、コーナーではやや軽めになり、ボディのロールも初期にユラッとあるので、あまり無理はできない。乗り心地はややかためで、細かい上下動が多かった。

V6、4Lモデルもトルクは低回転からあり、扱いやすかった。車両重量はV6モデルのほうが70㎏軽いので、軽快感はこちらのほうが味わえるはずだ。

実用的な広さ

一見、ボディサイズは大きいが、日本で手に余るようなことはない。やや高めの着座位置ではボンネットも見えるので、狭い道でも意外にボディ幅はつかみやすいのだ。

室内はサードシート付の7人乗りが標準。サードシートまで使ってしまうとリアのラゲッジスペースは、スポーツバッグぐらいしか置けない。しかし、サードシートを前方に倒すとフラットなラゲッジスペースが出現する。

サードシートは座ってみるとクッションはうすく、足元とヘッドスペースは身長165㎝までが快適MAXサイズ。ここは、いざというときの補助シートと割り切ったほうがよい。セカンドシートは床もフラットで、フロントからのセンターコンソールの出っぱりもなく、大人3人が並んで座ることができる。もちろん可倒式で、こちらもフラットになる。その広さは実用的だ。

ファーストカーとして日常に使用しても不便さはあまり感じなかった。日本でも販売が好調なのは、こういうところが評価されているのだろう。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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