ダイハツ イース 試乗レポート/渡辺陽一郎(4/4)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:小林岳夫/ダイハツ工業㈱
ダイハツ イース 試乗レポート/渡辺陽一郎
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価格と燃費という最強の組み合わせでイースはユーザーの心をつかめるか!?

ちなみに10・15モード燃費が30km/L以上の車種としては、今のところデミオ13スカイアクティブの140万円が最廉価。イースは抜本的に安く、注目されることは確実だ。

しかも、リアシートの居住性や走行性能にも余裕があるから、軽自動車の売れ筋車種になる可能性も高い。

80年代以降の軽自動車は、コンパクトカーをライバル視して進化してきた。今ではその目的はほぼ達成され、背の高い車種は、居住性に優れた上質な室内空間を備える。

最近はコンパクトカーの質感が下降傾向にあるから、軽自動車の方が快適に感じられることも多い。

しかしそれは、軽自動車の本質を突いた商品とはいい難い。

コンパクトカーに負けない機能は身に付けたが、「軽自動車でなければ達成できないクルマ造り」ではない。実用燃費については、今ではコンパクトカーに負けている面もある。

その点、イースは軽自動車のサイズを生かして車両重量を730kgに抑え、80万円弱の低価格で、30km/LのJC08モード燃費と32km/Lの10・15モード燃費を提供できる。この「価格対燃費」のバランスは、軽自動車の独壇場だ。

そして最近の市場では、燃費性能、いい換えれば環境性能の優れたクルマが上質と受け取られるようになった。

となれば、イースの登場を受けて、軽自動車の価値観が大きく変わる可能性がある。

スバル360、アルト、ワゴンRに並ぶ、日本車の歴史に名を残す軽自動車の登場だ。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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