ETCゲートの開閉がさらに遅くなったのは改悪ではないの?

ETCゲートの開閉がさらに遅くなったのは改悪ではないの?
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ETCゲートの開閉がさらに遅くなったのは改悪ではないの?

高速道路評論家の清水さんにぜひ聞きたいのですが、ETCバーについて、あれって正直危なくないのでしょうか。

私は以前、ETCでの接触事故を見て以来、車間を空けてレーンに入るのですが、後ろのクルマがもっと詰めろといわんばかりに、車間ギリギリまで寄せてくることがしょっちゅうで、後ろからぶつけられないかといつもヒヤヒヤしています。

また、今年の1月からさらにバーの開閉が遅くなったそうなのですが、余計煽られそうで怖いです。

これって改悪になっていないでしょうか。

また、どうせなら完全に一時停止させる方法などではダメなのでしょうか。宜しくお願いいたします。(ピカールさん)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

ピカールさん、以前のETCゲートは、それこそチキンレース状態でしたよね。

チキンレースとは、「どっちが崖ギリギリまでブレーキを踏まずに行けるか」を争うレース。

もしバーが開かなかったら、その時は突破するまでのこと・・・と、完全に開き直っているというか、「開かなかったらどうしよう」なんてことは考えずに突入するクルマだらけでした。

ETCゲートへの突入速度は、最高で60km/h以上に達していたと思います。それではあまりに危険ということで、ゲートが開くタイミングを遅くしたわけですね。

それによって、突入速度はかなり遅くなりました。

推奨速度は20km/h(オーバーしても交通違反にはなりません)ですが、実態としては、平均して30km/hくらいでしょう。それ以上の速度で突入すると、バーがちゃんと開いてもかなり接触ギリギリですので、それこそバーを突破する気がない限り厳しい感じです。

通過速度が遅くなれば、追突事故が発生しても、衝撃力は確実に低くなります。60km/hから30km/hになれば、ダメージは4分の1です。つまり、改悪という要素はまったくないと考えています。

ではなぜ、ピカールさんがあおられてしまうのでしょう?

ピカールさんは、文面にあるように、「ETCでの接触事故を見て以来、車間を空けてレーンに入っている」のですね。想像するに、その車間距離が広すぎることが原因でしょう。あるいは、ゲートの相当手前から減速し、ゆっくりアプローチしている、と言ったほうがいいかもしれません。

車間距離が広すぎると、後ろのクルマはイライラして、「もっと速く走れよ」という威嚇の意味も込めて、車間距離を詰めたくなってしまいます。

もちろんそれはリスクが増す行為ですが、ある意味、誰しもごく自然に抱く感情ですので、仕方ない面があります。

「そんなこと言ったって、追突するのが怖いから車間距離を取っているんだ。これは安全のためなんだ!」とおっしゃることでしょう。ただですね、どんな速度でも、車間距離が「2秒」あって、前をちゃんと見ていれば、追突することはないはずなんです。

自信がないならば、余裕を見て3秒取れば、まず大丈夫です(それでぶつかってしまう人は、安全のために免許を返上した方がいい感じです)。

20km/hでの「車間距離3秒」は約15メートル。30km/hなら20メートル強。つまり、ETCゲートでは、前車との間隔をそれだけ取って、前をちゃんと見ていれば、前車が急停止しても、こちらが追突してしまうことはまずありません。

これくらいの車間距離であれば、後ろのクルマからアオられることも、あまりないと思います。

車間距離を開けすぎると(たとえば20km/hで50メートルとか)、自分が追突するリスクはなくなっても、追突されるリスクが極端に増大します。「安全に、安全に」という心構えがアダになるのです。

ちなみに「完全に一時停止させるわけにはいかないのか」というご質問ですが、完全に一時停止させると、料金所の交通容量が大幅に落ちて、昔のように料金所渋滞が発生するようになります。

それを防ぐにはETCゲートを大増設するしかなく、非常にコストがかかります(1基あたり5千万円程度と聞いています)。

クルマの運転は、周囲といかに折り合いをつけるかです。それは“社会”そのものです。

ピカールさん、ぜひ上手に折り合いを付けて、楽しくドライブしてください!

MJブロンディの「ひとりごと」

実は私、ETC導入間もない頃、ゲートにぶつかってしまったことがあります(スイマセン、免許返上モノですね)。

ETC車載器の取り付けミス(赤外線遮断型のフロントガラスだったため、10回に1回くらいの割合で通信がエラー発生)でゲートが開かず、1回だけマヌケなことに、ゲートにぶつかっちゃったんです。

私がぶつかったゲートは、クルマがぶつかると前方に開く構造になっていて、ポカーンという感じで開いちゃいました。ゲート自体は柔らかい素材でできてますから、クルマには一切傷はつきませんでしたし、ゲートも折れたりはしませんでした。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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