渋滞に注意が必要な高速道路の無料区間はどこ?

渋滞に注意が必要な高速道路の無料区間はどこ?
無料区間となり渋滞が予測されている「舞鶴若狭道」 「舞鶴若狭道」渋滞の表示 画像ギャラリーはこちら

渋滞に注意が必要な高速道路の無料化区間はどこ?

高速道路の無料化区間で、渋滞が増えていると聞きました。このお盆、渋滞に注意が必要な無料化区間はどこですか。 無料化して渋滞してしまったら、意味はないと思いますが、それについてはどうなのでしょうか。

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

「舞鶴若狭道」渋滞の表示

私も7月の3連休中日、無料化社会実験が実施されている舞鶴若狭道(神戸の北から舞鶴方面へ向かう路線)で19キロの渋滞に遭遇し、1時間40分もハマッてしまいました。

渋滞の途中に車線数が2から1へ減るポイントがあるせいで、平均速度は時速10キロと大変遅く(一般的な自然渋滞は平均時速25キロ)、非常にストレスが溜まりました。

舞鶴若狭道は、無料化されるまでほとんど渋滞とは無縁の路線だっただけに、無料化の効果恐るべしです。舞鶴若狭道では、お盆期間中の8月14日、15日にも大渋滞が予想されているので注意です。

その他、お盆期間中に10キロ以上の渋滞が予想されている無料化路線は、このようになっています。

・日本海東北道(新潟中央―荒川胎内間)/8、9、13、14、15日

・秋田道/14、15日

・山形道/15日

・伊勢道/14日

・京都丹波道路/ほぼ連日

・岡山道/13日

・松山道/13、14、15日

さて、「無料化して渋滞が増えたら意味がないのでは」というご意見ですが、その通りという面も多々あります。 ただ、注意していただきたいのは、「すべての無料化がダメ」ということではないという点です。

私は以前から、「交通量が少ないほど料金の割引率を増やし、いつもガラガラの区間は無料にして、せめて地域の役に立つようにすべき」と書いてきました。

今回の社会実験は合計50の区間で実施されていますが、渋滞が発生したのはそのうち20区間。残り30の「元・超ガラガラ区間」では、交通量は飛躍的に増加したものの渋滞の発生までには至らず、並行する一般道の混雑が緩和され、これまで無用の長物だった高速道路が、地域にとって相当役に立つ存在になりました。ぶっちゃけ、日々の通勤などに有効活用されるようになったのです。

そういった区間は、もともとの料金収入もわずかでしたから、無料にすることの減収より、経済効果の方が大きいと考えられます。つまり、無料化はプラスなのです!

しかし、もともとかなりの交通量があった区間では、無料化によって渋滞が頻発するようになった箇所もあります。つまり料金収入がゼロになった上に渋滞による経済損失が発生しているわけですから、経済効果はマイナスです。そういう区間は、無料化をやめるべきです。

平日はプラス効果だけど休日は渋滞してマイナス効果だ、という箇所もあります。そういうところは、平日だけ無料にするのが正しいでしょう。

これまでのところ、無料化以来連日渋滞が発生しているとか、無料化したのに交通量があまり増えておらず効果が薄いといった理由で、無料化をやめる、あるいは割引に変えるべきと思われる路線は、この9区間です。

無料区間となり渋滞が予測されている「舞鶴若狭道」

・日本海東北道(新潟中央―聖籠新発田)

・八王子バイパス

・中央道(大月―河口湖)

・伊勢道

・京都丹波道路

・広島呉道路

・佐世保道路

・長崎バイパス

・沖縄道

無料化を平日のみにすべき路線は、こういった観光路線が当てはまります。

・西湘バイパス

・東富士五湖道路

・舞鶴若狭道

MJブロンディの「ひとりごと」

政府もそうですが、国民も「無料化か否か」といった、白か黒かという単純な議論に流れがちです。

しかし実際には、区間ごとにすべて事情は異なります。どういう料金設定がその区間にとってよりよいのか、それを見極める必要があるのです。

私は「無料化はすべてダメ」とは考えていません。具体的には、1日あたりの交通量がおおむね1万5千台以下(暫定2車線の場合はその半分)だったガラガラ路線は、料金を無料にした方が経済効果はプラスだと考えています。

それより交通量が多い区間は、7割引・5割引・3割引・現状維持など、混雑度に応じた料金設定をすべきです。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

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