【オーバーヒート】きちんと整備していたはずなのに車から煙が!
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:オートックワン編集部
【オーバーヒート】きちんと整備していたはずなのに車から煙が!
いつものように愛車を走らせていたら、信号待ちの時、ボンネットの透き間から煙が噴き出しているのに気付いて慌てました。
どうしていいかわからず、とりあえず路肩にクルマを止めてJAFを呼んだら「オーバーヒートです」と言われました。ちゃんとディーラーで整備はしていたんですが・・・。
オーバーヒートは、どうすれば防げるものなのでしょうか。
その疑問、「MJブロンディ」がお答えいたします!
こういったことがあると、みなさんはディーラーに嫌味のひとつも言いたくなるでしょう。でも、クルマも機械です。絶対故障しないクルマはありません。
ドライバーたるもの、有事に備える気構えは持っていたいものです。最近のクルマはコンピュータ化が進んだことで、昔のクルマと違って故障の兆候が皆無のまま、いきなりパタッと壊れることが多いのです。
点検でも予兆がつかめないので、「点検したばかりなのに」と責めるのは、かわいそうだったりします。オーバーヒートを防ぐには、たまにはボンネットを開けて、冷却水が入っているかどうか確認してみてください。
たとえば、車庫の床に緑色の液体が垂れていたら冷却水ですから、どこかから水漏れしているかもと疑ってみましょう。そういった兆候がなくても、オーバーヒートは起こります。
その多くは、電動冷却ファンの故障です。ファンのヒューズが飛んだり、リレーと呼ばれる電子回路が焼きついたりすると、ファンが回らなくなり、走行風が弱い状態が続くと、冬でもオーバーヒートしてしまいます。
しかし、水蒸気が噴き出す前に、メーター内の水温計が異常な上昇を示し、レッドゾーンに突入するはずです。水温計に目盛りが振ってあるクルマの場合、130度を超えていたらもう限界だと思ってください。水温計がついていないクルマでも、水温警告灯が点灯します。
その段階でクルマを路肩に止めてエンジンを切れば、水蒸気が噴き出すまでは行きません。また、水蒸気が噴き出してしまっても、すぐにエンジンを切れば大事には至りません。
しかし、ずっと気付かずにそのまま走り続けてしまうと、ピストンが焼きついてエンジン本体が壊れてしまいます。「クルマは故障しないもの」という先入観を捨てて、メーター内でなにかがピカピカ光っていたら、「なんだろう、大丈夫かな」と疑う姿勢だけは持つようにしてください。
MJブロンディの「ひとりごと」
電動冷却ファンが回らなくなっている状態でも、走り続ける方法はあります。
まず、冷却水が冷めるのを待ちます。水温計が下がったのを確認したらエンジンをかけ、エンジン回転を上げないように、かつなるべくスピードを上げて、ラジエターに風を当てることを意識して走ります。
信号待ちでは即座にエンジンを切り、動き出したらまたラジエターに風を当てながら走る。それでも水温計がレッドゾーンに入ったら、エンジンを切ってしばらく冷めるのを待つ。
これを繰り返すと、すごく時間はかかりますが、なんとかディーラーまで自力で辿り着けることもあります。
高速道路なら、普通に走り続けている限りかなり大丈夫です。ただし渋滞していたらこの方法は絶望的なので、その場で救援を呼びましょう。
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