全てが新しく生まれ変わった“新生ボルボ”の第1弾!「XC90」新型車解説(1/3)
- 筆者: 山本 シンヤ
全面変更が行われた新型XC90を徹底解説
ボルボブランド初のSUVとして登場した「XC90」。初代モデルは2002年に登場し2003年に日本へ導入、約7000台が販売された。あれから13年、途中2010年に中国の浙江吉利控股集団傘下となり、急激な復活を遂げているボルボ。すでに独自開発の新パワートレインとなる「Drive-E」は、主要モデルに採用済みである。
そんな中、2015年に2代目にフルモデルチェンジされ2016年に日本へ導入された新型XC90はまさに「革新」と言う言葉がふさわしい「全面変更」が行なわれた。すでに世界各国で高い評価を受けており、「北米トラック・オブ・ザ・イヤー」や「モータートレンドSUVオブ・ザ・イヤー」を含む62の賞を受賞している。
オートックワンではすでにインプレッションが掲載されているが、ここでは詳細な解説をお届けしよう。ちなみにプラットフォーム、パワートレイン、デザインと約90%が新規開発されている。
デザイン自由度や軽量化など全ての性能が大幅した新プラットフォーム「SPA」
まずはXC90が初採用となり、これからのボルボの土台となる新プラットフォーム「SPA(スケラブル・プロダクト・アーキテクチャー)」。スウェーデン史上最大級規模となる110億ドル(1兆3000億円)の投資が行なわれたボルボの構造改革は、デザインの自由度(ホイールベース、オーバーハング、車重、全高)はもちろん、軽量化(先代比125kg減)と前後重量バランスの改善、インテリアスペースの最適化など、全ての性能が大幅にレベルアップされている。安全性の面も抜かりはなく、ボロンスチール(超高張力鋼板)を全体の40%使用(先代は7%)により、重量増を最小限に抑えつつも強固なボディに仕上がっている。
もちろんサスペンションも新規設計で、高剛性とバネ下重量の低減、理想的なタイヤ接地を実現させている。フロントはボルボ初となるダブルウィッシュボーン式、リアはカーボンファイバー複合素材を使用したリーフスプリングを採用したインテグラルアクスル式を採用。オプションでエアサスペンションも選択が可能で、「Four-C(アクティブダンパー)」との組み合わせにより、より快適な乗り心地とハンドリングのバランスを実現。状況に応じて車高調整も行なってくれるのだ。
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