【試乗】ボルボV70 T5 SEで駆ける! 冬の「函館→東京」長距離試乗レポート/今井優杏(6/6)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田清志
V70は後席シートの快適度も極めて高い
ドライブの間中、ドライバーチェンジがあったおかげで助手席にも後部座席にもかなりの時間試乗できたのは幸いだった。
前席ほどではないが、後部座席の快適性はかなり高い。シートがバケットシート形状になっているので、身体がブレずにゆったりと座ることが出来る。後部座席の真ん中はそのために少し盛り上がったような形状になっており、常に3人で後部座席を埋めるような用途には向かないが、2人ならニークリアランスも抜群で、前席からの視覚的な圧迫感も少なく、快適な時間を過ごすことが出来る。路面の入力から来る突き上げなんて微塵もない。
また、エステートの呼び名の通り、ラゲッジ部分の使いやすさは突出しているし、カメラ機材含む大人3人分の旅の荷物でさえも軽々飲み込むから、家族でのレジャーを日常にしている方にもすすめたい。
V70はロングドライブでも居心地の良い ”安らげる場所”だ
ボディサイズ的にガチで競合になるのはメルセデス・ベンツEクラスのステーションワゴンやBMW 5シリーズのツーリングなのだが、競合しているのはセグメントだけかもしれない。価格的にも競合に比べるとややお買い得感のあるプライスタグになっているのだが、ただ単にお安いというのでもないのだ。
むしろ実際にV70のウリになるのは、冬の長い北欧ならではの“部屋”に対する考え方から構築された、室内空間の豊かさ・暖かさにある。その先に決して破綻しない安全への信頼性があり、そしてドライブフィールも決してそれを裏切ることはない。あくまでもV70が目指すのは居心地の良さ、安らげる場所なのだ。
走りに高揚感を求めるドイツ車の目指す着地点やベクトルとはちょっと違うところに、V70の魅力はある。長い時間を過ごす場所だからこそ安らいだ時間にしたいと考える人には、これ以上に寄り添える相棒はいないのではないだろうか。
[レポート:今井優杏]
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ボルボ 新型 V70 T5 SE[FF・2015年モデル] 主要諸元
全長x全幅x全高:4815x1890x1545mm/ホイールベース:2815mm/車両重量:1710kg/駆動方式:前輪駆動(FF)/乗車定員:5名/エンジン種類:インタークーラー付ターボチャージャー 直列4気筒 DOHC 16バルブ ガソリン直噴エンジン/総排気量:1968cc/最高出力:245ps(180kW)/5500rpm/最大トルク:35.7kg-m(350N・m)/1500-4800rpm/トランスミッション:ギアトロニック 8速オートマチックトランスミッション/燃料消費率:14.3km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:225/50R17/車両本体価格:5,290,000円[消費税込み]
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