【試乗】ボルボV70 T5 SEで駆ける! 冬の「函館→東京」長距離試乗レポート/今井優杏(4/6)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田清志
坂と港の町、函館をV70でぶらり散策
さて、食べてばっかりいても本末転倒なので、腹ごなしと言ってはなんだが、V70 T5 SEにて函館を探索することに。
函館市は東・南・北の三方を海に囲まれた独特の地形をしているので、小さいながらも独特の道路状況を持っている。構造はシンプルなので一回街を走ったら大体の位置関係を把握できるはずだが、そのベンチマークになるのがやはり函館山だ。
そしてこの函館山の山麓にあたるあたりが数々の映画やドラマのロケ地となった、港に向かって流れ落ちるような景観が美しい、数々の坂のあるエリアなのである。
我々もV70 T5 SEにて坂を登ってみるが、美しくロマンティックな見た目と裏腹に、これがまたなかなかの勾配なのだ。
折しも日が落ちかける時間帯、気温は雪国らしく一気にぐっと下がる。そうなると観光バスや地元のクルマで硬く踏み固められ、昼間の晴天で溶けた雪がカチカチに凍り始めてしまう。
もちろん、大前提でスタッドレスタイヤの恩恵はある。しかし、その凍った坂道をほんの少しのアクセルワークですんなりと唸りも上げずに涼しい顔で進んでいくあたり、やはりこの2リッターエンジンの底力を感じた。さすが、本気で踏んだら(5,500rpm)245psを生むだけあるのである。
フレキシブルな脚さばきは冬の雪道でも安心感をもたらしてくれる
さらに、ボルボといえばの高い剛性感の賜物で、アシの動きがとってもフレキシブルなんである。サスペンションの支点となるフレームがしっかりしていれば、金属がヨレずにサスペンションが本来の動きを発揮できるようになるというのは定説。スタッドレスタイヤを装着した上にアイスバーンに近づいたような荒れまくった路面に入っても、それほど突き上げやロードノイズを感じないのは圧巻だった。遮音材も効果的に投入されているに違いない。
果たして、ほかのレンタカーがヨロヨロと危なげに登る美麗な函館の日没を、我々はV70 T5 SEの頼れるドライブのおかげで、余裕しゃくしゃく眺めたのであった。
雪景色のこの函館山山麓の洋館群も、雪のデコレーションを纏ってとびきり美しい。
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