ボルボ 新型S60/V60 R-DESIGN [2014年モデル] 試乗レポート/今井優杏(3/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:島村栄二
パドルシフトで気持ちの良い走りを楽しめる
試乗してみると、カタログスペックはまったく変わっていないのに、なんでだか走りの質感が驚くほどに向上していた。
もちろん冒頭でも述べた通り、文字になっていないところで数々のブラッシュアップが加えられたことは想像に易いが、双方きっちりと高級感が増し、しっとりとなめらかな上質さを堪能することが出来るのが驚きだ。
特に感激したのはV60で、この走りは相当気持ちいい。
ボルボの中でも最もハードと言われるR-DESIGNのスポーツシャシーが装着されているのだが、きっちり段差を受け止めて、ぷるるんと乗り越えていくところなんかむしろ柔らかさを感じたほどだった。
肝心なパドルシフトもクリック感・変速感ともにこなれた感じで、快適にパコパコとシフト操作が出来、アップダウンを繰り返すような山道ではそのレスポンスや手に馴染む感じに高い信頼性を感じた。
やっぱりどう考えても、2014年モデルは進化しすぎているのだ。
安全技術とスポーティさが高次元でクロスするボルボ
さて、その質感の高さのもう一つの立役者は、ポールスター・パフォーマンスパッケージ(Polestar Performance Package)だ。
長年ボルボのワークスチームとしてツーリングカーレースに参戦し続けている『Polestar』監修のコンピューターチューニングキットで、T4は20ps、T6は25psの出力向上がなされるもの。
チップの形で納品され、T4、T6エンジンならどのモデルも対応しているから、伸びやかでトルクフルな加速を経験したい人はこちらも検討されることをお勧めする。
最近のボルボは本当に元気がいい。
きちんと真面目に研究し尽くされた安全への取り組みと、程良いスポーティーさが今、高次元でクロスしているいい時期だと思う。
これまでボルボを経験したことのない人にこそ、ちょっとディーラーなんかに出向いて欲しいなと思うほど、商品力の高いクルマが出揃ったと感じた。
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