ボルボ C30 試乗レポート/清水草一(1/2)
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:柳田由人
新たなる魅力を追求したC30
ボルボC30、発売当初からボルボらしくない斬新なスタイリングに心を奪われたものだ。「こんなクルマでお買い物に行く若奥様がいたらステキだろうなぁ」。そんなことを妄想させるクルマだったのである。
日本でのボルボのイメージは安心・安全・堅実といった保守的なもの。目立つのを嫌うお金持ちに強固なファン層を持つが、「斬新」という言葉とは非常に遠い印象があった。
そんなボルボにあってC30は、見事に斬新なリヤデザインを持ち、色気のあるヒップスタイルとフリーダムなラゲッジスペースだけで、新しい生活を予感させてくれた。だから私は好きだったのである。
が、C30には弱点があった。顔が他のボルボシリーズとほとんど同じだったのだ。
それはそれで遠くからもボルボだとわかって良かったが、オシャレなリヤと堅実なフロントのデザインバランスはいまひとつだった。それが今回のマイナーチェンジの最大のポイント。ズバリ、顔もお尻にマッチしたデザインになった。
流行りの異型ヘッドライトは、ちょっと軽過ぎてボルボらしくないと感じるかもしれないが、全体のバランスは明らかによくなった。マイチェンでのフェイスリフトとしては90点くらいつけられる。ボルボという権威を脱ぎ捨てて、新しい魅力を追求したコンパクトカーにリボーンした印象だ。
ボディカラーも地味なのから華やかなのまで13色選べるし、シートはなんと22種類。北欧というと寒くて暗いという印象もあるが、C30のインテリアは半端なくオシャレさんで、北欧デザインの実力の高さを見せてつけている。IKEAの国(スウェーデン)をナメてはいけない。
これに若奥様が乗れば、それを眺める私の心はさらにいっそう和むに違いない。ぜひ、C30のステキなラゲッジに、エリンギやパプリカを積んで欲しいものである。
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