フォルクスワーゲン トゥアレグ 試乗レポート

フォルクスワーゲン トゥアレグ 試乗レポート
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全グレードのエンジンを最新の直噴ユニットへと変更

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「スポーツカーにオフローダー、そして高級サルーンという3つの全く異なるカテゴリーのクルマのキャラクターを1台で兼ね備える」――そんな“3 cars in 1”のコンセプトを唱えるVW初の本格SUVが、2002年にリリースをされたトゥアレグ。2003年9月から販売が開始された日本でも年間の平均販売台数およそ2000台とコンスタントなセールスを実現。そんなトゥアレグが「2300点もの部品を新規に開発」という大規模なマイナーチェンジを行って再度発売された。

ポルシェ カイエンと共有され、それゆえに「270km/hを想定した設計」というフレーズも聞かれる基本骨格は従来と同様の設計。一方で、全グレードのエンジンが最新の直噴ユニットへと変更され、大幅な出力アップが実現されたのは大きなニュースだ。

フォルクスワーゲンのV型6気筒ユニットはユニークな設計による“狭角バンク”を採用する事でも知られるが、新型の3.6リッター・ユニットのそれはわずかに10.6度と、従来型3.2リッター・ユニットの15度からさらに狭められてコンパクト化が進んだのもニュースのひとつになる。

最新フォルクスワーゲン顔の“ワッペングリル”を採用

インパネ
フロントシートリアシート

そんな新しいトゥアレグをフロントビューで従来型と識別するのは容易な作業。なぜならば新型のフロントマスクにはこのところの最新VW車ファミリーですでにお馴染みとなった“ワッペングリル”に、やはり新デザインとなったヘッドライトが採用をされているからだ。

一方、そうした顔付きの部分を除くと、既存モデルのデザインに対する自信のほどを示すかのように新旧トゥアレグのルックス上の相違点は小さなもの。リアコンビネーションランプの上部側レンズのダーク化やルーフスポイラーのデザイン変更、ドアミラーやホイールのデザイン小変更などがその主なメニュー。エクステリア面で残念なのは左フェンダー前部に新設された補助ミラーの存在。日本独自の新レギュレーションに合わせて装着されたそれは、お世辞にもスタイリッシュとは言えないもの。ライバル各車のようにカメラとモニターで代用可能であるはずにもかかわらず、それにトライをしなかったのは何とも残念だ。

インテリアの変更点は、エアサスの動作インジケーターが大型化された程度。キーレス・エントリー・システムの新採用により、エンジンのスタート/ストップ・スイッチが新設された。

より大きな性能アップを遂げたV6エンジン

V8エンジン
V6エンジンメーター

新エンジンを搭載した新しいトゥアレグの走りの力感は、『V6』も『V8』も走り出しの瞬間から従来型に対して明確な向上を実感出来る。特に出力で39ps、トルクで50Nmものピーク値のアップを果たした6気筒モデルの逞しい走りは嬉しいポイントだ。もちろん、8気筒モデルならではのより緻密でパワフルな走りを味わわせてくれる『V8』のテイストも捨てがたいが、今回のマイナーチェンジでより大きな動力性能のアップを果たしたのは、間違いなく『V6』であると言って良い。

エアサスペンションは『V8』に標準で『V6』には29.4万円という価格でのオプション設定。が、個人的な好みからすればむしろよりドライで軽快なフットワーク・テイストを提供してくれるコンベンショナルな仕様の方が気に入った。ただし、重積載を行った際のレベライザー機能や高速時のローダウンでより走行性能を高める機能など、エアサスペンション仕様にはそれなりの付加価値が認められるのも当然ではある。

ブレーキのペダルタッチは、フロントに、より強化型のシステムを奢る『V8』が有利。2トンを大幅に超える重量級モデルながら、いずれも制動力そのものは十分な印象だ。

いざというときに発揮されるタフネスぶり

フロントランプリアランプ

前述のようにポルシェのカイエン、そしてそんなカイエンとの競合関係を巧みに避けるかのように3列のシートレイアウトとよりクロスオーバー・モデル風味の強いルックスで登場のアウディQ7とは、トゥアレグがそれらとの構造上の血縁関係が大いに色濃いのは良く知られている事柄。が、そうした生い立ちからすると『V8』で735万円、『V6』で549万円という価格には、大いなる“割安感”が伴うのはこのモデルの強みだ。プレミアムSUVとはいえ、やはり「より庶民派」なのがVWの作品だ。

同じドイツ車としてBMWのX3/X5とのライバル関係も当然考えられるが、そこでのトゥアレグの特長はより本格的なオフロード性能を備える事。“SUVデザインのオンロード・モデル”が基本コンセプトであるBMW車に比べれば、強固なフレームをビルトインしたモノコック・ボディを採用し、副変速機やセンターデフ・ロック機構などを備えるこちらがオフロード性に長けるのは自明というもの。

「一体、そんな性能をどこで使うのか?」という話題はまた別として、いざとなればそんなタフネスぶりを発揮する事が出来るという付加価値性も、またこうしたプレミアムSUVにとっては重要なポイントであるはずだ。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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