ダウンサイジングターボの先駆者、VWが送るポロ ブルーモーション試乗レポート(1/3)

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
ダウンサイジングターボの先駆者、VWが送るポロ ブルーモーション試乗レポート
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クルマ造りは環境技術を軸に発展していく時代へ

TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)トヨタ 新型プリウス

最近は「プラットフォームの刷新」が頻繁に行われている。トヨタ プリウスがTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の名称で新開発を行い、スバルも次期インプレッサから採用を開始する次世代プラットフォーム(スバルグローバルプラットフォーム)を発表した。スズキ バレーノでも新開発したプラットフォームを採用し、次期スイフトなども使う模様だ。

プラットフォームは車両の土台に相当する部分で、走行性能、乗り心地、燃費、居住性、衝突安全性などクルマのすべての機能を左右する。なので開発には多額の費用がかかり、刷新するのは10年から20年に一度だ。スバルは1989年に登場した初代レガシィで開発されたプラットフォームを使い続けてきた。

それを今になって続々と刷新する背景には、軽量化や燃費の向上と併せて電動化への対応がある。電気自動車(EV)、充電可能なプラグインハイブリッド(PHV)、さらに先を見据えれば燃料電池車(FCV)もあり、これらに適応することも考えてプラットフォームが開発されている。今は環境技術を軸にクルマ造りが発展する節目の時期だ。

次期インプレッサから採用を開始する次世代プラットフォーム(スバルグローバルプラットフォーム)

その一方で地道な改良も行われている。電動化が進んでも、ハイブリッド(HV)を含めて燃料を燃焼させる内燃機関は残り、技術の底上げが大切になるからだ。

近年の動向で注目されるのは小排気量のターボだろう。ターボは小さな排気量で高出力と高トルクを発生させるパワーアップの手段として普及したが、今は発想を逆転させて環境技術として使われる。ターボを装着すれば排気量を小さく抑えることが可能で、負荷が低い走行状態では燃料を節約できるからだ。登坂路や追い越しの時は、ターボの力を借りて動力性能を高められる。

ダウンサイジングターボの先駆け

フォルクスワーゲン 新型パサートアウディ A1 1.0TFSI

この小排気量ターボを大々的に打ち出したのがフォルクスワーゲン(VW)だ。5代目ゴルフに1.4リッターのターボ+スーパーチャージャーを設定して、小排気量ターボの先駆けになった。今のVWではシングルターボが主力で、Lサイズのパサートも1.4リッターのターボを積む。

メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ(VWと基本的に同じエンジンを使う)なども、小排気量ターボを続々と投入している。今ではターボ搭載が世界の常識になってきた。

技術的な革新であると同時に、ユーザーのエンジンに対するイメージも大きく変えている。以前は多気筒で大排気量のエンジンが上級とされたが、小排気量ターボの普及により、古典的で時代遅れと見られるようになった。逆に大柄な高級車のジャガー XJがコンパクトな2リッターのターボを積んだりすると、先進的で賢そうに思える。

小排気量化の流れはさらに加速して、コンパクトな車種では3気筒1リッターターボの時代に入った。アウディ A1・1.0TFSI、さらに同じエンジンをVW ポロブルーモーションも搭載したので試乗してみた。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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