フォルクスワーゲン CC 試乗レポート/飯田裕子(3/3)
- 筆者: 飯田 裕子
- カメラマン:オートックワン編集部 撮影協力:富津ブリストルヒルゴルフ&レジデンス
ダウンサイジングコンセプトで1.8ターボに統一
VWが進めている動力源のダウンサイジングコンセプトは、高級クーペ「CC」でもさらに推し進められた。従来型パサートCCのV6 3.2リッターと2.0リッターTSIのエンジンラインナップを、新型CCでは1.8リッターTSIエンジンの1種類のみとし、装備の違う2モデルでラインナップしている。
この新エンジンと7速DSGトランスミッションとの組み合わせや、エネルギー回生システムの採用により、新型VW CCのJC08モード燃費は13.4km/Lとなった。これは前モデルの2.0TSIの11.8km/L(10・15モード)と比べても向上している。
これまでで最も小さな排気量のエンジンを搭載する新型 CCではあるが、パフォーマンス不足を心配することはない。実際に160psというパワーはもちろん、25.5kgmというトルクを1500回転から発揮し、力強く伸びていく。アクセル操作によって変わるものの、7速DSGは高いギヤで一定速度で走る状況に素早く持って行ってくれるし、ワインディングではシフトダウン&アップのリズミカルさがCCの表情をスポーティにも魅せてくれる。
あえて言うなら、V6 3.2リッターの多気筒NAエンジンならではのシットリとした加速フィーリングばかりは、さすがに4気筒ターボの1.8TSIでは得られない。これは少し淋しい気がしなくもないけれど、13.4km/Lの低燃費ぶりを目の当たりにすると納得せざるを得ない。それにターボ+DSGの加速感がお好みという方も多いだろう。
大き目のボディサイズを感じさせない走りの良さを堪能
狭いワインディングでもボディの見切りも良く、ボディサイズを感じさせず思い通りのラインを走ることができた。ボディのカッチリ感とアクセルやブレーキペダルの操作、ステアリングの操舵感の自然な(違和感のない)統一感がやはりVWらしい。
乗り心地は、様々な路面で硬くも柔らかくもない、自然な印象をフラットに維持してくれる。その上CCには、アダプティブシャシーコントロール“DCC”も標準採用される。ダンパー減衰力やパワステの操舵フィールを“コンフォート/スタンダード/スポーツ”の3段階から選ぶことができるこの機能は高級車「CC」ならではのもの。走行シーンに合わせたモードセレクトは、VWらしいナチュラルな乗り味の中に、また違う一面を見せてくれるだろう。
さらに“テクノロジーパッケージ”付モデルには、先進安全技術が装備に加わる。そもそもCCは、現行モデルがデビューしたときから最も先進的な技術としてフロントアシストやレーンアシストとして採用されていた。今回はそれらの機能が拡張されたり、新たなシステムも加わり、安全性が高められている。これまでのフロントアシストにはプリクラッシュブレーキシステムが追加され、レーンチェンジ・アシスト・システム“サイドアシスト・プラス”というネーミングで、車線逸脱のみならず、レーンチェンジの際の注意&警告も機能に加わっているところが新しい。
500万円級のプライスは適正価格!
車輌価格はベースモデルの「1.8TSI」が499.0万円、先進安全装備を搭載する「1.8TSI テクノロジーパッケージ」が524.0万円[※共に消費税込み]。VW車としては高価な印象を抱くかもしれないが、装備面の充実度からして実はグッドプライス。
冒頭の繰り返しになるが、フェートンが導入されない日本において、プレミアムSUV「トゥアレグ」と並び、セダン系ではCCがフラッグシップモデルとなる。VWの最新の技術や装備、クオリティを集約し、さらに磨きのかかったCC。そんなプレミアム性を保ちつつ、安全性と環境性をバランスよく高めたCCは、いかにもVWらしい生真面目さとバリュー度の高さも兼ね備える。今の時代を熟慮したコンフォート・クーペと言っていいだろう。
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