新世代ライトサイジング”1.5TSI Evo”エンジン搭載の新型ゴルフに試乗/このご時世にVWがプラス100ccを増したワケとは
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:Volkswagen
フォルクスワーゲンを代表するモデル、7代目「ゴルフ」がマイナーチェンジを実施した。現行型ゴルフ7は2013年に日本市場へ登場するや、輸入車で初めての日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど、国内でも高く評価されている。新型ゴルフも外観上の変更点は最小限。新エンジン「1.5TSI Evo(エボ)」の搭載が大きなニュースだ。国内への正式導入を前に、ひと足お先にスペインで試乗してきたのは、バラエティ自動車ジャーナリストを標榜する小沢コージさん。世界的にみて、排気量を落とし高効率化を図るダウンサイジングがトレンドとされる中、従来の1.4リッターTSIエンジンに対して+100ccを追加した理由とは。
マイナーチェンジでVWが100ccも排気量を増やした理由とは
いよいよジドウシャ技術もギンギンに細分化され、突き詰められてきましたな。ソイツは先日欧州で登場したマイチェン版フォルクスワーゲン(VW) ゴルフ。マイナーチェンジモデルは日本にゃ夏以降上陸してくる模様で、一部じゃゴルフ7.5などとも言われてるみたいですけど、いったいなにに注目って、新世代TSIエンジンでしょう。
現行の1.4リッター直噴ターボTSIは、VWがゴルフからポロからパサートからSUVのティグアンまで、大きいのから小さいのまで載せているメインエンジン。ポイントはそのフレキシビリティと高速燃費で、1.4TSIを搭載する現行ゴルフは日本のJC08モードで19.9km/Lを記録し、実燃費は街中じゃ普通ですけど高速じゃなかなか。なにより1.4リッターとは思えないパワー感が自慢ですが、他により燃費のいい1.2リッター版TSIもあって、今後そっち側にシフトするかと思いきや。
新世代1.5”Evo”TSIは2種類を用意
逆に今回のマイナーチェンジでは排気量を100ccアップ。VWはライトサイジング=正しい排気量と言葉巧みに言っております。
それがこの新世代1.5リッター直4直噴ターボで、今回乗れた150psの「1.5TSIエボ」と、今後追加される130psの「1.5TSIエボブルーモーション」の2ユニットがあって、パワー&燃費のバランスを攻めてくる予定(ただし今のところ日本導入時期は未定)。
同時に伝達効率を数%上げた新世代7速DSGも組み合わされ、欧州モード燃費は1.5TSIエボが20km/Lで、1.5TSIエボブルーモーションが21.7km/L達成。JC08だと23~24km/Lぐらい行くんではありますまいか。
新型ゴルフにも遂に高圧縮ミラーサイクルを導入へ
中でも効率を追いかけた1.5TSI エボ ブルーモーションは、今までにない高圧縮比に加えて遂にミラーサイクル導入。つまり、吸気バルブの早閉じを行うわけで、その時に燃焼状態が悪くなるのを、今までにない350バールのハイプレッシャー燃料噴射と可変ターボなどで補うのがミソ。
そして同時に必要になってきたのが、より空気をより良くかき混ぜるためのストロークの長いシリンダーで、今回はそのためのプラス100cc。絶対排気量を追ったものではなく、まさしく今の1.4リッターの改良型であり、ストロークアップの進化型なのよ。
ちなみに気筒数に関しては今後130psぐらいまでは4気筒で対応、それ以下で直3を検討するとのこと。排気量という物差しではなく、パワーで気筒数を選別してくるのかもしれません。それから今回乗った150psバージョンはミラーサイクルも可変ターボもナシ。つまり比較的パワー指向の新世代ターボですな。
>>[画像78枚]フォルクスワーゲン 新型ゴルフ 新世代”1.5TSI Evo”ライトサイジングエンジン搭載車をフォトギャラリーでチェック
2気筒休止する2シリンダーモードも、言われないと気付かないレベル
肝心な新型ゴルフの走りですけど、ズバリたった10psアップの150psで最大トルクは250Nmと、1.4リッターと変わらずですけど、発進時の力強さは確実に上昇。7速DSGの改良もあってか、シフトアップのツナギも良くなり滑らかさ増してます。
自慢の2気筒休止の2シリンダーモードも、相変わらず入ったのがわからないくらい滑らかで問題ナシ。効率を稼げるこの技術があるからこそ直3を積極的に選択しない部分もあるようです。
ただし、根本的なDSGのギクシャクはやはり感じます。このあたり、気にする人はするし、しない人はしないでしょう。でも小沢的には今の最新型ATがどんどん良くなっていく中、DSGの限界も感じてます。
遂にゴルフも“走るスマホ化”!?
インテリアを見ると、こちらも全体デザインはほとんど変わってませんが、良かったのは先日上陸のティグアンで導入された“走るスマホ化”たるVW独自のモバイルオンラインサービス”Car-Net”(カーネット)に対応するインフォテイメントシステム”Discover Pro”の最新世代導入と、アウディもビックリのバーチャル風コクピット、アクティブインフォディスプレイの搭載。
しかも、この新世代Discover Proが、現行モデルより大きい9.2インチでジェスチャーコントロール付き。それと、パサートなどで導入済みの時速60キロ以下での半自動運転技術”Traffic Assist”(トラフィックアシスト/渋滞時追従支援システム)も付きます。
新型ゴルフの”半自動運転”は実用に足る機能か!?
が、結論を言っちゃうと半自動はまだまだ遠慮がちな日本車と同程度。時速60km以上のアダプティブクルーズコントロール(ACC)やレーンキープアシストを含め、全車速で使えるわけですが、ACCは実用に耐えますがレーンキープはまだまだ。急コーナーではすぐに切れます。
また、Discover Proのジェスチャーコントロールは確かに作動しましたが、短時間だとまだメリットが良く感じられず。それよりカーネットの方が海外ではメリットを感じた次第。特に初めて訪れる場所だと、安いガソリンスタンドや気になる店情報が欲しくなり、ネット対応の新インフォテイメントが結構役に立つのです。
新型ゴルフ7(通称”ゴルフ7.5”)、日本導入は2017年夏頃から
新エンジンと新インターフェイスを得たマイナーチェンジ版新世代ゴルフ。
新”エボ”エンジンの導入自体はどうやら遅れそうですが、マイチェン版ゴルフ自体は今年夏頃には上陸予定。早く日本でも試して見たいとこですな。
[レポート:小沢コージ/Photo:Volkswagen]
The NEW Golf 1.5 TSI(Evo) BlueMotion 主要諸元(欧州値)
全長x全幅x全高:4258x1790x1492mm/ホイールベース:2620mm/車両重量:1317kg/乗車定員:5名/エンジン種類:直列4気筒 ターボチャージャー付 ガソリン直噴エンジン/総排気量:1498cc/最高出力:150ps(110kW)/5000-6000rpm/最大トルク:250N・m/1500-3500rpm
>>フォルクスワーゲン 新型ゴルフ 新世代”1.5TSI Evo”搭載 マイナーチェンジモデル フォトギャラリー[画像78枚]
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